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平成28年第 1回定例会−03月02日-03号
平成28年第 1回定例会−03月02日-03号

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  1. 熊本市議会 2016-03-02
    平成28年第 1回定例会−03月02日-03号


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    最終取得日: 2022-11-22
    平成28年第 1回定例会−03月02日-03号平成28年第 1回定例会   平成28年3月2日(水曜) ┌─────────────────────────────────────┐ │ 議 事 日 程 第3号                         │ │ 平成28年3月2日(水曜)午前10時開議                │ │ 第  1 代表質問                           │ └─────────────────────────────────────┘                             午前10時00分 開議 ○満永寿博 議長  ただいまより本日の会議を開きます。       ───────────────────────────────── ○満永寿博 議長  日程第1「代表質問」を行います。  順次発言を許します。坂田誠二議員。          〔38番 坂田誠二議員 登壇 拍手〕 ◆坂田誠二 議員  皆さん、おはようございます。自由民主党市議団の坂田誠二でございます。  御承知のとおり、第1回定例会は次年度の市政運営の根幹を成す当初予算の審議を行う上で大変重要な議会であります。特に平成28年度は、大西市長になって2年目、大西市政が実動へと移っていくこととなり、加えて平成24年4月、熊本市が政令指定都市移行後、5年目を迎え、その真価が問われる極めて重要な年であります。  そこで、今回私は、自由民主党熊本市議団を代表し、平成28年第1回定例会に提案されております新年度予算案をベースに、今後の市政運営の方針等を中心に質問させていただきます。  大西市長は本年度、第7次熊本市総合計画、熊本市しごと・ひと・まち創生総合戦略を初め、教育大綱、熊本連携中枢都市圏ビジョン立地適正化計画など、今後の市政運営やまちづくりの大きな方向性を定める計画などの策定に着手されました。これらの計画案がまとまり、本議会において審議されることとなっております。加えて、来年度からは新総合計画の推進に向け、組織体制も大幅に再編されるとのことであります。  このように、今年度はいわば大西市政の土台づくりの年であり、次年度からは大西市政が本格稼働する年と位置づけられるのではないかと考えております。  そこでお尋ねいたします。
     先ほど私は、来る平成28年度は大西市政が本格稼働する年と申し上げました。これから大西市長にはリーダーとしての手腕を思う存分発揮していただかなければなりません。  大西市長が就任当初から唱えられている地域主義、これが市役所全体に浸透し、職員一人一人が積極的に市民と向き合えるようになるのか、市長選で掲げられた130項目に及ぶマニフェストがどのように進められていくのか、そのうち成果が見えてくるものが出てくるのか、さらに、政令指定都市移行後5年目を迎える中で、市域のみならず、熊本都市圏、熊本県全体を牽引する中心都市として、九州全域あるいは国内外からも注目される都市として成長していけるのか、まさに新しい熊本市づくりに向け、大西市政の真価が問われる重要な年になります。  また、昨年は、市民からの信頼を大きく失うような事務処理のミスや職員不祥事などが頻発したところであり、市政への信頼回復に向けた全庁を挙げた取り組みと市職員の資質向上は待ったなしの状況です。  そこで、まず来る平成28年度の市政運営方針について、大西市長の思いと決意をお聞かせ願いたいと思います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  平成28年度の市政運営に対する私の思いと決意についてお答えいたします。  私は、政令指定都市移行後5年目を迎える本市にとって、来る平成28年度は市域のみならず都市圏や圏域全体を牽引する九州の中核をなす拠点都市として、さらなる飛躍に向け本格的なスタートを切る年度であり、本市の将来を大きく左右する年度になると考えております。  さらに、政令指定都市としてセカンドステージを迎えた本市の今後の市政運営方針を示す新たな総合計画に基づくさまざまな施策を実行に移していく年であることから、私自身にとっても熊本市長としての力量が厳しく問われることになると認識しており、これまで以上に市政運営に全力を傾注していく決意を新たにしているところでございます。  新年度においては、市民の皆様に名実ともに政令指定都市として新たなスタートを切ったと実感していただけるようトップセールスを行い、国内外に熊本市の存在感を示すとともに、市民の皆様の声を反映した第7次総合計画を初めとするさまざまな計画を速やかに実行に移すことで熊本市の持つポテンシャルを高めてまいりたいと考えております。  加えて、職員一人一人が地域に飛び込み、市民の皆様とさまざまな課題を共有し、連携して課題解決に取り組み、地域主義を実践していくことで地域コミュニティの活性化を図るとともに、市政に対する信頼確保に努めてまいります。  このように、私みずから先頭に立ち、本市の持つポテンシャルを高めていくとともに、職員と一丸となって地域主義によるまちづくりを進めていくことで、目指すまちの姿である市民の皆様が住み続けたいと思うまち、また誰もが住んでみたくなる、訪れたくなるまち、上質な生活都市の実現に全力で取り組んでまいる所存であります。よろしくお願いいたします。          〔38番 坂田誠二議員 登壇〕 ◆坂田誠二 議員  ありがとうございました。  市長就任当初から唱えられている地域主義を基本に、マニフェストに基づく新しい熊本市づくりにスピード感を持って取り組んでいく、大西市長の熱い思いが私どもにも十分伝わってまいりました。  加えて、平成28年度は政令指定都市移行後5年目を迎えるわけでありますが、大西市長はこのことを強く意識され、市域のみならず都市圏、熊本県全域を牽引する役割をしっかり果たしたいという決意、このこともひしひしと感じられました。  また、大西市長は、庁内での打ち合わせ、さまざまな案件の決裁などの日常業務の間に、首都圏を中心に民間での勤務や秘書時代に培われた幅広い人脈を生かし、各省庁との折衝、経済界などへのアプローチ、さらには国内外との交流など、日ごろからトップセールスを積極的に展開しておられるようでございます。まさに分刻みのスケジュールで活動されているようであり、40代の若い市長の行動力には大変敬服しております。今後とも体に気をつけられ、思う存分手腕を発揮していただきますよう御期待申し上げます。  それでは、引き続き本会議に提案されております平成28年度の当初予算に関連してお尋ねいたします。  今回の予算案では、例えば中学校への空調設備の導入に向けた設計や市電の延伸に向けた基礎調査の実施、さらには江津湖での花火大会の再開など、既に本年度から着手されている事業もありますが、学校コンシェルジュの配置や子供医療費助成制度の拡充など、大西市長のマニフェスト項目の多くが盛り込まれ、マニフェストの着実な実現や新総合計画、しごと・ひと・まち創生総合戦略に基づく新たな事業の推進など、随所に大西カラーが発揮されているようでございます。  さて、我が自由民主党市議団では、本年1月、大西市長に対し平成28年度予算及び事業等に関する要望書を提出させていただいたところでございます。  この中で、新年度予算編成においては、国の施策や動向を十分理解しつつ、政令指定都市としての独自性を高め、真に市民の豊かな生活につながるよう求めるとともに、各議員に寄せられた市民意見等をもとに、市域全体や区ごとの地域における課題等について整理し、具体的な要望事項をまとめております。今議会で提案されております新年度の予算案を見ますと、私どもの要望にも一定の配慮をされている様子もうかがえるところでございます。  今後、予算の詳細については予算決算委員会等においてさらに議論を深めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。  このような中、一般会計当初予算の歳出総額は熊本市として初めて3,000億円を超える規模となっております。内容を見ますと、上質な生活都市の実現に向けて、新たな総合計画に基づき(仮称)熊本城ホールの整備を初め、道路や下水道などの都市基盤の充実、農業を初めとした地場産業の振興、雇用の創出、保育所整備や医療費助成等の少子化対策、学校環境の整備などの次世代育成、さらには地域防災対策など、幅広い分野でさまざまな事業が盛り込まれております。  その一方で、歳入面では、地方交付税や市税収入などはそれほどの伸びは期待できず、加えて、急速に進む高齢化に伴う扶助費等は増加の一途をたどっており、引き続き国、地方とも財政状況は予断を許さない非常に厳しい状況と思われます。  大西市長や執行部の皆さんにおかれては、平成28年度予算編成に当たって、財政健全化と市長が目指しておられる誰もが憧れる上質な生活都市の実現を両立するため、いろいろ御苦労されたものと思います。  そこで、改めて大西市長にお尋ねいたします。  今回の予算編成においてどのような分野に特に意を用いられたのか、また新しい熊本市づくりの着実な推進と財政計画との整合性を図るためにどのような工夫をされてきたのか、その内容について基本的なところをお聞かせ願いたいと思います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  新年度予算についてのお尋ねにお答えいたします。  まず、来るべき新年度は政令指定都市5年目を迎え、九州の中核をなす拠点都市としてのさらなる飛躍に向けて、実質的なセカンドステージのスタートを切ったと市民の皆様に実感していただけるよう本市の魅力をさらに引き出し、大きく伸ばしていかなければならない年であります。  加えて、本年度、市民の皆様とともに策定を進めてきた本市のまちづくりの基本方針となる第7次総合計画や地方創生に向けたしごと・ひと・まち創生総合戦略、広域連携に向けた連携中枢都市圏構想などに基づく取り組みを本格的にスタートし加速化させる重要な年でもあることから、新年度予算においてはこれらに掲げた重点的取り組みに対して財源の配分を行ったところでございます。  具体的には、まず安心して子供を産み育てられるまちの実現に向け、子ども医療費助成の拡充や待機児童の解消に向けた保育の量と質の確保、学校教育関係では、学校教育コンシェルジュや不登校対策サポーターの新たな配置、さらには子供たちの学習環境の改善に向け、小中学校の普通教室への空調設備設置等に取り組むこととしております。  また、地域コミュニティの形成に向け、町内自治会が設置する防犯灯のLED化を促進するための助成を充実するほか、公共交通の利便性向上に向け、市電の路線延伸に向けた詳細調査やバス乗りかえ拠点の改善に向けた調査を進めてまいります。  加えて、雇用の創出に向けたUIJターン地場企業PR等の人材確保の支援にも努めてまいりたいと考えております。  さらに、拠点性を生かした交流人口の増加に向け、(仮称)熊本城ホールの整備や桜町地区や下通A地区の再開発関連の助成、また(仮称)花畑広場やシンボルプロムナード等の整備に向けた検討など中心市街地の魅力向上に取り組むほか、江津湖での花火大会の開催や夏目漱石生誕・来熊記念関連イベントの開催にも取り組んでまいりたいと考えております。  このように、新総合計画の基本構想に掲げる目指すまちの姿、市民が住み続けたい、誰もが住んでみたくなる、そして訪れたくなる上質な生活都市の実現に向けた取り組みを進める第一歩となる予算を編成することができたと考えております。  一方で、本市の財政環境は、歳入面では市税等の一般財源の大幅な増加を見込むことは困難な状況でありまして、歳出面でも社会保障関係経費や公債費の増大、公共施設の老朽化への対応等に加え、新たな都市基盤整備を進めていくことも求められるなど厳しい状況にあると認識しております。  そこで、平成28年度予算編成に当たっては、予算要求の上限を設定し、各局長主導による事業の優先順位の設定や新規拡充事業廃止縮減事業のバランスを意識した選択と集中の厳格化に取り組むこととし、職員一人一人が常に財政規律を意識しながら事業効果の最大化を図る組織文化の醸成にも努めたところでございます。  今後とも、将来に向け持続可能な市政運営を意識しながら、既存事業については不断に検証や見直しを行う一方で、第7次総合計画等に掲げた重要施策を初め、市民ニーズや実効性の高い施策を重点的に推進することにより、上質な生活都市の実現に向け積極的に取り組んでまいりたいと考えております。          〔38番 坂田誠二議員 登壇〕 ◆坂田誠二 議員  ありがとうございました。  新年度予算については、厳しい財政状況の中でも特に新総合計画で掲げる重点的取り組みや130項目のマニフェストを中心にめり張りの効いた予算編成に心がけたとのことでございます。  そのために、局ごとに重点分野を洗い出し効果的な新規事業等を立案するとともに、既存事業の見直しを行いバランスシートを作成するなど、全庁的にさまざまな創意工夫を凝らしながら、財政計画と整合性を図りながら市民生活の課題に対応するとともに、熊本市の将来発展に必要不可欠な施策や事業をまとめたとのことであります。改めてその努力に敬意を表するとともに、引き続き効果的かつ効率的な事業展開に全力を傾注されるようお願いするものでございます。  さて、市当局が鋭意努力されていることはわかりましたが、先ほど申し上げましたように、(仮称)熊本城ホールの整備、桜町地区の再開発、駅前広場の整備など、多額の費用を要するビッグプロジェクトもめじろ押しであり、扶助費等の義務的経費も年々増大しております。  このような中、昨年の12月議会において財政局から自主財源の確保に向けてと題し、市税の状況について説明がなされております。  ここでその内容の一部を御紹介しますと、本市の歳入状況は、合併や政令都市への移行などの影響から10年前に比べ約900億円も伸びているものの、国庫支出金や市債の伸びに比べ市税の増加は緩やかなため、熊本市の自主財源比率は年々低下傾向にあるとのことです。  そのため、平成26年度の普通会計の決算における本市の自主財源比率は約44%にすぎず、政令指定都市では20番目、つまり最下位となっています。  いうまでもなく、最大の自主財源は市税収入です。しかしながら、熊本市の市民1人当たりの市税収入は政令指定都市の中で最も低く、平均的な政令市と比べて総額300億円以上税収が少ない状況にあります。加えて、税の収納率もここ数年は上昇傾向にあるものの、やはり政令指定都市中最下位です。税収は少ない上に収納率は悪い。今後三、四年間、桜町の再開発等を中心に大規模の財政出動が余儀なくされる中、非常に心もとない状況であると思います。  基幹税と呼ばれる市民税、法人市民税固定資産税等の調定額が低い要因としては、市民所得が低いこと、零細企業が多いこと、地価が安いことなど、構造的な課題が大きいことから、今後は新たに策定する熊本市しごと・ひと・まち総合戦略に基づき、地場産業の活性化による市民所得の向上や本支店機能の移転などによる法人市民税の拡充などに積極的に取り組んでいく必要があります。  しかしながら、これらは息の長い取り組みが必要であり、その効果は一朝一夕にあらわれるものではありません。  そこで、私は、先ほど申し上げましたように、この難局を乗り切っていくために、これまでの慣習や制度を大きく見直していく必要があると思います。中には一部の市民の皆様にとって負担増になるものもあるかもしれません。そういったものこそ、執行部と我々議会とが幅広い見地から真剣に議論していく必要があると考えます。  例えば、基幹税のうち都市計画税については、0.3%を上限に各自治体が税率を任意で設定できることとなっており、20市の政令市のほとんどが上限で設定しているのに比べ本市だけが0.2%となっており、そのことで熊本市の都市計画税の調定額は政令指定都市の中で最下位になっております。  このように、都市計画税の税率見直しに関しては、財政局としてはまだ構想段階とのことです。  今後、特に一部市民に負担を求めるものや大きく制度を見直すものなどについては、その趣旨や目的を明らかにした上で、検討段階でも結構ですので、でき得る限り早く我々議会と情報交換し、議論を重ねていただきたいと存じます。  先ほどの都市計画税に関しても、税率の引き上げ等を念頭に置いておられるのであれば、今後の都市計画道路、下水道、ごみ処理施設など都市施設の整備はもとより、維持管理にも多額の費用がかかることや、施設整備により市民生活や事業活動にどのような利益をもたらし、結果として本市の活性化につながっていくかなどについて調査分析され、それをもとに今後どのように取り扱っていくかについて、議会において早い段階でお示しいただき、議論させていただきたいと思います。  また、制度面においても同様です。新年度予算において市長の公約の一つであった子供医療費の助成の拡充について必要経費が計上されているようです。これについては利用者負担の新たな考え方も打ち出されています。  今後、人口減少社会の到来を見据え、高齢者の介護や福祉の財源を担うこととなる現役世代の負担をできるだけ抑えていくためにも、安心して子供を産み育てていけるよう、その環境づくりは大変重要です。  しかしながら、厳しい財政状況の中で歳出だけをふやしては、結局次の世代にツケを回すことになりかねません。このような制度設計に当たっては、全て無料を是とするのではなく、当初から公費負担と利用者負担について考え方を整理しておく必要があると考えます。  加えて、大きな社会の変化の中で、これまでの考え方を180度転換する勇気も必要であると思います。  将来の超高齢化社会を見据えたとき、現在の高齢者施設を見直してでも、それを支える現役世代や、さらにその先を担う子供たちへの支援を充実していかなければ、高齢福祉そのものの土台が崩れていくと思います。  例えば、高齢者向けのいわゆるおでかけ乗車券では、70歳以上の高齢者全てを対象にサービスを提供していますが、平均寿命が延びる中で、対象年齢の段階的な引き上げや、一律でなく所得によりサービス水準を変えるなどの見直しも検討する必要があると思います。  そこで、大西市長にお尋ねいたします。  新年度予算を踏まえた中期財政見通しは近々示されることになると思いますが、非常に厳しいものになるのではないかと想像しますが、今後の事業計画等を見据え、最も厳しい財政運営となるのは何年後と予想されているのでしょうか。また、その際にはどのような対策を講じてこの難局を乗り切ろうとされているのでしょうか。  加えて、議会に対して、これらの情報を的確かつ迅速に提供し議論されるおつもりはあるのか、大西市長のお考えをお聞かせください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  今後の財政見通しについてのお尋ねにお答えいたします。  本市においては、今後5年間の財政見通しとして、毎年度、財政の中期見通しを作成し公表しております。また、この作成に当たっては、歳入歳出ともに具体的な制度改正が確実なものを除き、当該年度の当初予算をベースに現行の行財政制度をもとに推計しておりまして、本年度も現在策定中であり、近々公表を予定しております。  お尋ねの今後の見通しでありますが、短期的には、(仮称)熊本城ホールを初め、熊本駅白川口駅前広場整備などの中心市街地整備西環状道路スマートインターチェンジなど骨格幹線道路の整備、特別支援学校の新設、さらには新市基本計画に基づく基盤整備など、平成30年前後まで投資的経費が非常に高い水準で推移すると見込んでおります。  また、中長期的には、今後、人口減少・少子高齢社会が進む中で、歳入面では市税等の一般財源の大幅な増加を見込むことは困難な状況で、歳出面でも社会保障関係経費や公債費の増大、さらに公共施設の老朽化への対応等が見込まれることからこの傾向が続くと推測すると、徐々に厳しい財政運営が強いられるものと認識しております。  このため、持続可能な行財政運営を進めていくに当たっては、歳入歳出両面から効果的な対策を講じていく必要があると考えております。  歳入面では、まず自主財源の確保が必要と考えており、他の政令指定都市と比較して低い状況にある市税収納率や調定額の向上、さらには本市のみ低率となっている都市計画税の税率の改定等についても検討し基幹財源である市税収入の確保に取り組むとともに、保険料や使用料、貸付金などの債権についても適正な管理に努めてまいりたいと考えております。  また、第7次総合計画やしごと・ひと・まち創生総合戦略に掲げる重点施策を着実に実施することで将来にわたって一定の人口規模を維持し、生産年齢人口を確保していくとともに、高付加価値商品の開発や地域への新たな人の流れなど、地域経済に新たな付加価値を生み出す企業の支援や企業の誘致等、地域産業の活性化に取り組み、雇用の質と量の確保を進め、税源の涵養に努めてまいりたいと考えております。  一方、歳出面では、行財政改革計画に掲げる取り組みはもとより、事業のスクラップ・アンド・ビルドの徹底や既存事業のリフォーム、さらには、議員御紹介の高齢者施策を含めた単独の社会保障施策についても、社会情勢の変化を的確に捉えた大胆な見直し等が必要と認識しており、不断に見直しを実行していく考えでおります。  また、増嵩する医療、介護などの社会保障関係経費の抑制に向けては、生活習慣病の予防対策や各種健康診断の受診勧奨、校区単位の健康まちづくりの推進などに取り組み、市民の皆様が将来にわたって健康で元気に活躍できる環境の構築に努めてまいりたいと考えております。  加えて、公共施設の老朽化への対応等については、現在施設種別ごとにデータ分析や課題整理を進めており、来年度までに公共施設等総合管理計画を策定、その後、施設の集約化や有効活用等、公共施設の最適化に取り組んでまいりたいと考えております。  このように、今後の市政運営に当たっては、公正公平な受益者負担のあり方について検証し、市税収入を中心に必要な歳入を確保しながら歳出改革にも取り組み、市民の皆様とともに上質な生活都市の実現を目指してまいる所存であり、予算案審議等を通じて議員の皆様の御意見を伺いながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。          〔38番 坂田誠二議員 登壇〕 ◆坂田誠二 議員  ありがとうございました。  私は先ほど、時代が大きく変わっていく中では、考え方や制度そのもの、それに合わせて見直す勇気が必要であると申し上げました。例えば元気な高齢者の方々にこれまで培った技術や経験を生かし次世代育成や地域コミュニティの活性化などに力を貸してもらう、あるいはコミュニティビジネスの創業などに取り組んでもらう、そして、社会に参加し貢献することで生きがいとなって健康寿命がさらに延びていく、今後はこのような施策が重要であると考えます。  つまり、これまでのように65歳以上の高齢者を一くくりに高齢福祉の対象として施策を展開するのではなく、生涯活躍の場をつくっていく施策へと方向転換すべきと思います。  また、健全な財政運営を図る上で、自主財源比率を伸ばしていくことは大変重要な課題であり、今後、地域経済の活性化に向け効果的な施策を展開し、市民所得や法人所得をふやしていく必要があります。もとより、政令指定都市中最下位となっている収納率を向上させること、それが真っ先に取り組むべき課題です。  その上で、地域経済の活性化を図る上で、政令指定都市にふさわしい都市基盤を維持充実させなければならないというのであれば、都市計画税の税率見直しも検討課題の一つであると思います。その際には、当然、市民が納得できる説明が必要です。  私たち議会は、二元代表制における市民の代弁者としてその役割を果たしていく義務がございます。そのためにも、重要な案件についてはイエスかノーかというタイミングでなく、検討段階から積極的な情報提供をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。  それでは、引き続き財政の健全化に関し具体的にお尋ねいたします。  まず、熊本市が所有しております資産の適正管理と運用について、花畑町別館を事例に挙げて御提案申し上げたいと存じます。  昨年9月議会において大西市長は花畑町別館を解体する方針を示され、新年度予算には解体工事に関する設計費が計上されております。また、花畑町別館は昭和初期の著名な建築家、山田守氏の設計によるものであり、逓信省を誘致した歴史などを踏まえて、一部には保存を求める声も上がっておりますことから、別館にまつわるさまざまな文化的価値を記憶や記録としてとどめるための検討経費についてもあわせて新年度予算で計上されております。  御承知のとおり、花畑別館は昭和11年に建築され、本市の公共施設で最も古い建物であり、耐震問題はもとより、施設や設備の老朽化が著しく、その取り扱いは長く懸案事項となっており、なかなか結論が出ないままでした。  その一方で、行政需要が多様化し本庁舎が手狭になったため、教育委員会など民間ビルに間借りして執務する部署がふえてまいりました。さらに、政令指定都市への移行に伴い、本庁舎内に中央区役所を併設したことから民間ビルの賃借がふえ、現在では民間ビルの賃借料に年間1億6,000万円の市費を支出している状況です。また、民間ビルは毎年更新が原則でしょうから、相手側の意向次第で賃料が上がり、次の年度で契約更新ができず別の場所をあわせて探さなければならない事態が生じないとも限りません。  このような状況を考えますと、花畑別館の解体はもっと早く決断すべきと思いましたが、大西市長になってやっと動き出したかという思いをしており、今後、解体後の跡地についても検討されていくものと存じます。  現在、熊本市では公共施設に関し、これまでの拡大する一方の施設整備や対症療法的な維持管理から脱却し、管理施設の総量抑制と計画修繕による施設の長寿命化を図るため、公共施設等総合管理計画の策定を進めておられます。その中では、施設の維持管理費を現行ベースで保っていくためには、管理施設の総量を2割削減する必要があるとの試算が示されております。  そこで、今後、利用実態や維持管理の状況などから、現状で維持する施設、あり方を見直す施設、廃止する施設など、施設の種別ごとに詳細な検討を行い、将来の方向を定めていくとのことであります。特に廃止する施設については、地域への譲渡、民間への売却などが検討されるものと思いますが、その検討においては、単に売却や譲渡だけでなく、運用という視点も入れていただきたいと思います。  そこでお尋ねします。  今後、公共施設等総合管理計画はどのような観点で検討を進められていくのか、スケジュール等を含め、考え方をお聞かせください。  またあわせて、花畑別館解体後の跡地利用についても、今後どのような形で利活用を図っていかれるおつもりなのか、お考えをお聞かせください。これについては財政局長にお尋ねいたします。          〔木下修一財政局長 登壇〕 ◎木下修一 財政局長  2点のお尋ねにお答えいたします。  まず、公共施設等総合管理計画の検討内容に関するお尋ねにお答えします。  現在策定中の公共施設等総合管理計画は、公共施設の老朽化や人口減少社会などの課題に対応し、財政の持続可能性を維持することを目的に、今後の市有財産の管理方針を示すものでございます。  計画における重点的な取り組みとして、資産総量の適正化、施設の長寿命化の推進、運営に要する総コストの削減の3項目を掲げることとしており、未利用資産については基本的には売却することで資産総量の適正化に取り組んでいくこととしております。  しかしながら、全国的に資産マネジメントの取り組みが進む中、資産の有効活用事例も蓄積されつつありますことから、本市においても運用という視点を持ち、立地適正化計画などとの整合性を図りながら計画策定を進めてまいります。  なお、公共施設等総合管理計画については、パブリックコメントや住民説明会を経て平成28年度中に成案化を図りたいと考えております。
     次に、花畑町別館解体後の跡地利用についてお答えします。  花畑町別館については、今回提案しております平成28年度当初予算に解体の設計経費を計上しており、平成29年度に解体を予定しております。  跡地の利用については、本庁機能の集約や民間ビル賃借の解消、さらには資産の有効活用や公民連携による中心市街地活性化といった観点とともに、本市の厳しい財政状況を鑑み、投資の平準化、軽減を図る視点も重要となります。  今後、これらの点を十分に考慮しながら、民間活力の活用なども含め、最善の方針策定に向け、関係各課から成る庁内検討会議において検討を進めてまいりたいと考えております。          〔38番 坂田誠二議員 登壇〕 ◆坂田誠二 議員  ありがとうございました。  さて、本日は平成28年度における市政運営の方針や本議会で提案されている当初予算案等について、市長の基本的な考え方を中心にお尋ねしたところでございます。真摯な御答弁ありがとうございました。  大西市長は、誰もが憧れる上質な生活都市熊本の実現に日々全力を傾注されておるところでございますが、私ども自由民主党熊本市議団としても、この大西市長を積極的に支えてまいりたいと考えております。  そこで、私どもは昨年11月、地方交付税や地方税財源の充実、空調設備の設置等学校施設整備の促進、県費負担教職員給与負担等の権限移譲に伴う財政措置、桜町・花畑周辺地区における再開発関連事業予算の確保、熊本環状道路や中九州横断道路等の整備など、熊本市が抱える重要な問題について国や政府に予算確保の要望を行ってまいりました。  この要望の中で、例えば執行部では、教職員の給与負担等の権限移譲に関し、ちゃんと国にその分の財政措置をしてもらえるのか不安視されています。そのような国の動向等を執行部から聴取した上で今回の要望をまとめたものであり、大西市長同様、私どもも名実ともに九州中央の政令都市にふさわしい熊本市に成長させたい、させなければならないという熱い思いを持っております。そのためには、地域の声をしっかり国政へ届けていかねばならないと考えております。  今後とも、私ども自由民主党市議団としては、執行部と互いに胸襟を開き、しっかり議論、協議を重ね、車の両輪として市政発展に尽力してまいりたいと考えておりますので、市議会への十分な情報提供と説明につきましても重ねてよろしくお願い申し上げます。  以上をもちまして、自由民主党熊本市議団を代表しましての私の質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)       ───────────────────────────────── ○満永寿博 議長  田尻将博議員。          〔47番 田尻将博議員 登壇 拍手〕 ◆田尻将博 議員  おはようございます。市民連合の田尻将博でございます。  会派を代表して質問いたします。  私どもの会派は、国会でいうならば民主・社民・維新連合推薦の野党連合でございます。会派では、働く仲間が安心して暮らし、一人一人が尊重される社会を目指しています。政治活動として、安保法制は違憲の立場から安全保障関連法の廃止を求める会派でもございます。  議会では、執行部の政策に対しては是々非々の立場で活動し、定例議会終了後には、上通入り口にて街頭報告会を続けています。  それでは、早速質問に移りたいと思います。  本議会に熊本市総合計画、熊本市しごと・ひと・まち創生総合戦略、そして熊本市人口ビジョンと関連して、本市と16周辺自治体との連携協約の締結が提案されています。総合計画、総合戦略、連携協約の事業が同時にスタートします。  事業内容を精査しますと、これまで推進している事業など多々重なる部分もあり、引き続き施策の事業推進、達成が最重要であると思います。  総合計画の策定について市長は、聞く姿勢・話す姿勢・動かす市政と地域主義の理念のもと、多くの市民との対話、地域の声を市政に反映させ、住民の皆様がみずからのまちに誇りを持ち、住み続けたいと思える誰もが憧れる上質な生活都市熊本を目指し、そして、安心して暮らせるまちづくり、ずっと住みたいまちづくり、訪れてみたいまちづくりまちづくり重点的取り組みとしています。  そして、計画の基本構想では、まちづくりの原点は地域であり、そこに暮らす市民であると市民の一層の自主自立を求められております。  総合計画は物すごいボリュームで、本市の向こう8カ年のまちづくりの設計図であります。また、16自治体との連携協約は、圏域全体の経済成長の牽引、高次の都市機能の集積強化、生活関連機能サービスの向上に向けての締結であり、本市の責任は重大であります。積極的な取り組みをお願いするものであります。  総合計画、総合戦略等の推進に向け、市長の思いに地域主義を徹底させる1年や、年頭会見での漢字「伸」の選定、そして、真新しい職員力などの言葉は推進に向けての意気込みが伝わってきます。  市長の地域主義、伸、職員力をもっと具体的にお聞きし、総合計画の達成に向けてと政策推進への思い、そして選挙公約の政策への取り組みは何割ぐらいでありますか。市長にお尋ねします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  まず、総合計画達成に向けての思いと政策推進への思いについてお答えいたします。  政令指定都市5年目を迎える本市が今後さらに飛躍していくためには、本市のポテンシャルを伸ばし、人々がずっと住み続けたくなるようなまちを築いていくことが肝要であります。加えて、自主自立のまちづくりを着実に進めていくためには、地域住民が主体となって互いに支え合いながらまちづくりに取り組む地域力とともに、地域課題を的確に把握し、地域住民とともにその解決を図っていく職員力の向上が重要であると考えております。このような考えのもと、ことしをあらわす一文字として「伸」の字を掲げたところでございます。  今後も地域主義の理念のもと、私自身はもちろん、職員も積極的に市民の中に飛び込み、市民の皆様と連携しながら総合計画に掲げる政策の実現に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次に、マニフェストの政策への反映についてでございますが、市民の皆様の声を踏まえた私のマニフェストを市の最上位計画である総合計画に盛り込むことが、その実効性を担保するために極めて重要であると考えております。  そこで、マニフェストの全ての項目について庁内で議論、検討し、総合計画に具体的に位置づけてきたところであり、新年度において予算化をしましたほか、今後策定する実施計画においてより具体化してまいりたいと考えております。  今後は、総合計画を着実に実行していくことで市民の皆様との約束であるマニフェストを実現してまいりたいと考えております。          〔47番 田尻将博議員 登壇〕 ◆田尻将博 議員  ありがとうございました。  次に、私どもの政策要望を行っておりますので、政策要望についてお尋ねいたします。  私どもは毎年、次年度に向けた政策要望を市長に提出しています。この数年、私どもは持続可能な政令市熊本の発展に向けてを基本テーマに、分野ごとに具体的事業をまとめ要望しております。  主たる要望項目は、頼れる市役所、人のとうとさを守る、人をつくる、暮らし・命を守る、未来へ引き継ぐまちづくり、地域を豊かにする、未来を築くまちづくり、この7テーマに90項目以上を掲げ、持続可能な政令市熊本の発展に向け、最大限の取り組みを展開させるよう要望しました。  特に喫緊の課題として、若者世代が結婚できる安定した雇用環境の整備や非正規職員の正規職員化に向けた施策の展開、そして民間事業者に対しても働きかけることを要望しました。  今回の総合計画、総合戦略の事業と市民連合の政策要望事業が多々重なり、市民連合として本市の計画、戦略の推進を支持し、事業達成のため汗をかく覚悟でございます。  再度、私たちの要望事項を精査し取り組んでいただきますよう、本議会を通して要望いたします。市長の答弁を求めます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  市民連合の皆様からは、例年、本市の施策や事業に対して貴重な御提案をいただいているところでございます。  特に、人口減少社会を見据えた定住促進、少子化対策、交流拠点都市の構築に向けた政策要望は、新たな総合計画の重点的取り組みとして掲げております安心して暮らせるまちづくり、ずっと住みたいまちづくり、訪れてみたいまちづくりと基本的な考え方は一致していると認識しております。  また、喫緊の課題として要望されております雇用環境の整備についても、自然減対策としても、社会減対策としても、雇用の質と量を確保していくことが重要であることから、今回の総合戦略では仕事に力点を置いた戦略を策定したところでございます。  総合計画を初め、総合戦略などのさまざまな計画を着実に実行していくためには議会との連携は必要不可欠であることから、今後も議会と十分に議論しながら、上質な生活都市の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。          〔47番 田尻将博議員 登壇〕 ◆田尻将博 議員  ありがとうございました。  次に、総合戦略の事業への意気込みを聞きたいと思います。  人口急減、超高齢化という我が国が直面する大きな課題に対し政府が一体となって取り組み、各地域がそれぞれの特徴を生かした自立的で持続的な社会を創生できるよう、まち・ひと・しごと創生本部が設置され、人口減少への対策と地域経済の再生を目的とするまち・ひと・しごと創生総合戦略が平成26年12月に取りまとめられました。  それ以来、各地方では、その戦略に沿った各種の事業が進められており、いよいよ地方創生が本格的に始動し、地域から日本を元気にする、これを具現化する地方創生が国策として動き始めました。  総合戦略は、まちづくり、人づくり、仕事づくりがスローガンであり、基本方針は従来の縦割り構造、全国一律、ばらまき、表面的な施策、そして単年度の短期的成果といった政策を検証するとしています。そのため、政策五原則として、自立性、将来性、地域性、直接性、結果重視の施策をうたっています。さらに、その政策の検証として、PDCA、プラン・ドゥ・チェック・アクションの採用と、短期的で5カ年、数値目標、成果目標を制定しています。これはかつてない考え方と方法論だと評価できると思います。  本議会に本市の創生総合戦略が提案されました。政府のまち・ひと・しごと創生総合戦略の名称を本市では、しごと・ひと・まちと変え、仕事に力点を置いた総合戦略の展開となっています。  基本戦略の主な取り組みを見ると、今までの既存の補助事業に加えくらがえの事業となっており、個々の事業はこれまでも取り組んできており、これまでの事業の継続であります。これをチャンスと受け、この期間の中で達成していただきたいものであります。  そこで、総合戦略の事業への意気込みと取り組みについて、市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  総合戦略の事業への意気込みと取り組みについてお答えいたします。  今般、まち・ひと・しごと創生法に基づき、人口減少に歯どめをかけ、将来にわたって活力ある熊本を創生するため、総合戦略を取りまとめたところでございます。  この総合戦略は、新総合計画の重点的取り組みと整合性を図った総合計画で掲げる目指すまちの姿の実現に向けた中核となる取り組みでございます。  総合戦略の推進に当たっては、地域主義の理念のもと、地域の声に耳を傾け、本市がみずから考え、責任を持って地域の個性や特性に応じたまちづくりを進めるとともに、連携中枢都市として、さらには県都として、自治体間の連携を強化することで相乗効果を高め、地方創生を推進してまいりたいと考えております。  次に、本市の総合戦略の取り組みについてでございますが、その特徴として2点挙げられます。  1点目は、仕事に力点を置いた戦略としたところでございます。  これは、熊本市人口ビジョンの中で目指すべき将来の方向として、少子化対策や移住、定住促進、交流の活発化等が挙げられますが、いずれもその推進に当たっては仕事の創生が重要となることから、今回の戦略では特に仕事に重点を置いたものとしております。  これにより、仕事が人を育み呼び込む、そして、人が集まればまちに活力が生まれ、そのことがさらに新たな仕事を生み出す、こうした好循環をつくることによって熊本の地方創生を図ってまいりたいと考えております。  もう一点は、本市の地方創生に向けた取り組みを基本戦略として体系的に整理するだけでなく、基本戦略の取り組みを牽引しより効果的に推進していくため、仕事にかかわる本市の強み、特性を生かした施策をリーディングプロジェクトとして取りまとめたことでございます。  具体的には、魅力ある歴史文化や全国有数の産出額を誇る農水産物、充実した医療・介護、そして多種多様な地場産業という4つの強みや特性に着目し、それらを最大限に生かした仕事を創出し、地方創生をリードする施策を重点的に取り組むこととしております。  このような本市の特性を生かした創造的な取り組みを推進することで上質な生活都市熊本を実現してまいりたいと考えております。          〔47番 田尻将博議員 登壇〕 ◆田尻将博 議員  ありがとうございました。  引き続き、総合戦略の中身を若干お尋ねしたいと思います。  政策を実行する上で結果重視は疑問もあり、結果を検証するのは重要ですが、結果を重視すると個々の事業が滞る可能性があり、地方創生という困難な課題に立ち向かうときには、事業の結果の検証をうたう成果主義が地方創生の足かせと心配するものであります。  本市の個々の事業の結果重視、成果主義についての基本的考え方についてお尋ねします。  次に、総合戦略に対する国の補助メニューは、各種の事業推進に対しありがたいものではありますが、地方創生にモデルはありません。地方の創生には、地域のリーダー育成と支援が必要不可欠であります。創生の鍵を握るのは人であり、人をまとめていく地域のリーダーの存在と思います。  以上をまとめると、地方創生に不可欠な視点は地域の力の自立的な涵養であり、地域の力とは行政的ネットワーク、地域にある人材や社会的・文化的資源のネットワーク、そして住民の地域愛と情熱が源であると思います。これらのいずれを欠いても地方創生は厳しいと思います。  そこで、人づくり、地域のリーダー育成、地域の力についてどう取り組んでいくか、以上、市長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  まず、結果重視・成果主義についての基本的考え方についてお答えいたします。          〔議長退席、副議長着席〕  今回の地方創生においては、地方みずからが創意工夫を凝らし、地域の個性や特性を生かした独自の戦略を立案し、施策の効果などの観点から評価を行った上で取り組んでいくこととされております。  このため、それぞれの施策ごとに数値目標や重要業績評価指標、いわゆるKPI、これはキー・パフォーマンス・インディケーターというものでございますが、これを設定し、その効果をPDCAサイクルによって検証、改善することが求められております。  このような取り組みについて、本市では早くから行政評価制度等を設け取り組んできておりまして、効果的な施策や事業を進めていく上で当然のことと受けとめております。  その一方で、数値目標やKPIの達成だけで成果をはかろうとすれば、数値の達成そのものが目的となり、目先の成果だけを追い求めた施策や事業が重視されたり、あるいは数値目標やKPIの設定そのものを達成可能性から判断するといったことが懸念されてまいります。このようなことになっては、特に今回の総合戦略が人口減少の克服という長いスパンの将来展望に基づく取り組みである地方創生の趣旨からかけ離れたものになることを危惧しております。  私といたしましては、総合計画や総合戦略の個々の施策や事業の推進に当たっては、将来を見据えながら明確な目標を持って取り組むとともに、多角的な視点で検証を行い、継続的に見直しを図りながら本来の目標や目的の達成につなげていくことが重要と考えております。  次に、人づくり、地域のリーダー育成、地域の力についてのお尋ねにお答えいたします。  近年、少子高齢社会が進む中、地域における担い手不足の問題は今後の地域力の向上を図っていくためには重要な課題であると認識しております。  しかしながら、地域の基礎的な組織である町内自治会や各種団体等の担い手の多くは高齢の方でありまして、若い世代の後継者がなかなか育っていないのが現状であります。  地域の担い手を育成していくためには、まずは地域の行事や活動に参加する人をふやし、地域のさまざまな活動に対する理解を広め興味を持ってもらうことで地域の中で人と人とがつながり、地域の担い手が育つ環境をつくっていくことが必要であると考えております。  こうした考えに基づき、このたびまちづくり支援機能の強化と出張所等再編方針の素案を作成し、地域コミュニティ活動の活性化に向け、区役所のまちづくりに関する企画調整機能を強化しますとともに、現在のまちづくり交流室の機能を拡充した(仮称)まちづくりセンターを設置し、そこに地域を担当する専任職員を配置する方針をお示ししたところでございます。  地域には、校区自治協議会の構成団体である町内自治会等の地域団体を初め、学校、NPO、事業者等のさまざまな活動主体がありますが、それぞれがネットワークでつながり、地域課題に取り組んでいくことこそが地域力の向上につながっていくものと考えております。  また、区を単位として、スポーツ、健康、文化等のテーマごとにネットワークが形成され、活動事例や課題等の情報を共有していくことが地域の人づくりやリーダー育成につながるものとも考えております。  地域のまちづくりの拠点である区役所やまちづくりセンターがそのようなネットワーク形成のためのかけ橋になるとともに、地域における自主自立のまちづくりを支援し、地域リーダー育成及び地域力の向上を図ってまいりたいと考えております。          〔47番 田尻将博議員 登壇〕 ◆田尻将博 議員  ありがとうございました。  代表質問の時間60分ということで、若干早口でこの1、2の項目につきましてはさせていただきました。  しかし、本市にとっては重要な長期の計画でございますので、これも議会ごとにいろいろな御質問が出ろうかというふうに思います。私どもも大まかな部分の質問、基本的な部分の質問ではございましたが、今後ともこの2つの大きな計画につきましてはどんどん両輪として頑張っていきたいというふうに思います。  これからの部分につきましては、地域が、また地方が大変話題になっております件につきまして3点ほど絞って御質問したいと思います。  その一つに、18歳投票についてということで題を設けさせていただきました。  投票できる年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられる改正公職選挙法が昨年6月に成立しました。日本では1945年に女性にも選挙権が認められ、20歳以上の男女と決まって以来、70年ぶりに選挙権が拡大されました。  改正公職選挙法がことし6月に施行され、新たに18歳、19歳の240万人が投票できるようになりました。初めて適用される国政選挙は夏の参議院選挙となり、18歳以上なら選挙運動への参加も認められ、デモや集会などの政治活動にも参加できるようになり、ウグイスやチラシ配りも可能となりました。一方、選挙違反をした少年も原則として成人と同じように刑事裁判の対象となり、高校生が政治活動に加わることは、学生運動が広まった1969年以降、文科省が望ましくないとして校内外を問わず制限していました。
     18歳以上に選挙権が下がり、文科省と総務省が全高等学校向けに新たに指導資料の副教材を作成し、教育現場におろしています。見出しは私たちが拓く日本の未来です。有権者として求められる力を身につけるための指導資料であります。この指導資料は、有権者を選挙を通じて政治に参加する権利を得ることと定義しています。  しかし、今回の選挙権年齢の拡大を踏まえて、休日や放課後、校外に限って認められることになりましたが、文科省が新たな見解を示し、デモなどに参加する際、学校に事前に届けを出させる制度の導入を認め、校外での行動も管理下に置こうとし、教育の場から政治をなるべく遠ざけておきたいようであります。  6月の施行が迫り、全国紙も地方紙も選挙権18歳以上の特集が始まっています。また、指導資料に沿って選管等主導で各地の高校で政策論争や地域課題の見つけ方、実践模擬選挙、政策討論会、模擬請願、模擬議会等で自分や社会が抱える課題の解決策を探ることで政治の役割を問い直す授業があっています。  そこで、18歳選挙権拡大に対応する3項目についてお尋ねいたします。  1つ、18歳選挙権拡大に伴い、本市の18歳、19歳は何人に達しますか。  2つ目、拡大に伴い市内の高等学校への出前授業が実施されていると聞いており、出前授業の内容、実施状況、生徒の反応、また小中学校への出前授業の拡大等を考えているのか。  最後に、高校生以外の新たな有権者に対する選挙啓発はどうなっているのか。  以上、選挙管理委員会事務局長にお尋ねします。          〔内田敏郎選挙管理委員会事務局長 登壇〕 ◎内田敏郎 選挙管理委員会事務局長  18歳投票についての3点のお尋ねにお答えいたします。  まず1点目の18歳選挙権拡大に伴う本市の18、19歳の人数は約1万4,000人となります。  2点目の高等学校、小中学校への出前授業についてお答えいたします。  授業の組み立ては、講義、模擬投票、開票で行い、内容は選挙の仕組みや重要性を伝えるとともに、投票率の現状や選挙運動の禁止事項などをクイズも交えながら説明した後、候補者役として大学生等に協力をお願いし、立会演説や選挙公報も参考にしての模擬投票を実施し開票も生徒で行ってもらうなど、選挙を総合的に体験してもらい、選挙を身近なものと感じてもらえるよう努めております。  実施状況につきましては、市立高校2校においては市選管と市教育委員会で連携し、本年度は3年生と2年生に実施したところでございます。また、市内の県立及び私立高校においては、基本的には県、市選管が共催で開催し対応している状況でありまして、本年度は県立高校3校、私立高校1校、特別支援学校高等部1校において実施いたしました。  授業に対する生徒たちの反応でございますが、市立高校2校の3年生と2年生968名に授業後のアンケートを実施しましたところ、選挙への関心が高まったと答えた生徒85%、投票率が低いことは問題であると答えた生徒81%、演説内容等に対する自分の考えを持つことができたと答えた生徒86%と、集計の結果からも選挙の大切さや主権者として自分で考え選択することの大事さを認識してもらったものと感じているところでございます。  出前授業については、市内の小中学校に対しましても市教育委員会を通じて募集を行っており、近い将来有権者となる子供たちが選挙の意義を体験的に学習することは大変重要でありますことから、教育委員会と連携しながら、主権者教育にあわせ模擬投票を含めた出前授業を実施することで選挙に対する理解を深めてもらい、投票率の向上につながるよう今後も実施に努めてまいります。  3点目の高校生以外の新たな有権者に対する選挙啓発については、現行で実施している啓発に加え、県選管と連携を図りながらさまざまな広報媒体を活用し、投票の呼びかけに取り組んでまいりたいと考えております。          〔47番 田尻将博議員 登壇〕 ◆田尻将博 議員  70年ぶりの公職選挙法の改正でございます。私たちも議員の立場で、また有権者の立場でもこの18歳、19歳が投票所に向かうようにお互いが声をかけ合うような運動を全市的にしなければならないというふうに思います。  それでもなかなか投票に行く人は余りおりません。したがって、せっかくいい機会でございますので、皆さんにも18歳、19歳に声をかけ合う運動を始めたいというふうに思います。  次に移ります。  本市の子供の貧困の現状対策ということでつくっております。  下流老人の著者である藤田孝典さんは、憲法が保障する健康で文化的な最低限度の生活を送ることが難しい人たちがふえ続けていると警笛を鳴らしています。  労働者の4割に達した非正規社員の多くも、このままでは老後の貧困族予備軍と予想され、これは企業が人件費削減に利用した側面が強く、多くの非正規社員が低賃金や雇用の不安によって厳しい生活を強いられています。結婚して子供が生まれたとき、非正規雇用、年金問題などで将来に不安を抱える若い世代には、結婚して子供を産むという当たり前のことさえぜいたくになってしまっているようです。もはや、高齢者に限らず、子供や若者、シングルマザーの貧困も社会として見過ごせる水準を大きく超えています。  特に子供の貧困はかつてないほど深刻になっています。18歳未満の貧困の割合は2012年に過去最悪の16.3%になり、親が一人の場合に限ると5割を超えています。高校を卒業し、大学や専修学校などへ現役で進学する割合は7割だが、ひとり親世帯では4割にとどまっています。貧困家庭で育った子供が社会に出て貧困から抜け出すには教育の機会を十分に保障することが重要であり、教育費の無償化や低家賃の公営住宅の拡充など、貧困の連鎖を防ぐ公的な安全網を整備することが急務であります。  また、深刻化する子供の貧困の解消へ政府はようやく重い腰を上げました。昨年4月に官民が連携して子供の貧困解消を目指す子供の未来応援国民運動が創設されました。具体的な施策を一まとめにして新年度予算に盛り込まれています。  本市の子供の貧困の現状と対策はどうなっているのか、健康福祉子ども局長にお尋ねします。          〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長  本市の子供の貧困の現状と対策についてお答え申し上げます。  本市におきましては、国が公表している子供の貧困率と同様のデータはございませんが、例えば子供の貧困が深刻と言われておりますひとり親世帯は平成28年1月時点で約8,600世帯となっており、平成22年10月1日と比較いたしますと約4.3%の増加となっております。  また、経済的理由によって小中学校で給食や学用品、修学旅行などの費用を援助する就学援助を受ける児童・生徒は、平成28年2月時点で小中学生の15.2%を占める約9,300人となっており、認定の割合を平成22年度末と比較いたしますと1.3%の増加となっており、ともに少しずつ増加している状況でございます。  子供の貧困対策につきまして、本市といたしましては、国の対策に呼応して生活支援として生活保護世帯の子供を対象とした居場所づくりを含む学習支援事業や、ひとり親家庭への子供の学習支援、相談相手として大学生を派遣いたしますひとり親家庭児童訪問援助事業を実施いたしているところでございます。  また、経済的支援として児童扶養手当の支給やひとり親家庭医療費の助成を行っておりますほか、教育の支援といたしまして、低所得世帯への保育料等の軽減やスクールソーシャルワーカーの配置、ひとり親家庭への子供の高校や大学等の授業料や入学金等の無利子貸付を行っているところです。  このような直接的な子供の貧困対策に加え、貧困世帯の経済的自立を促進いたしますために、生活保護世帯を含む生活困窮者への社会参加活動や就労体験の場所を提供し就労支援プログラムへつなげる就労準備支援事業を実施いたしますとともに、ひとり親家庭の保護者への就労支援といたしまして、高等職業訓練促進給付金の支給や自立支援プログラム策定員の配置を行っております。  これらの事業につきましては、新年度におきましても引き続き予算計上いたしますとともに、新たに年収360万円未満相当の多子世帯やひとり親世帯等への保育料等の軽減を拡充いたしますほか、教育委員会ではスクールソーシャルワーカーの増員の予算を計上いたしているところでございます。  今後は、教育や福祉部門の庁内関係課によります連携会議を立ち上げ、子供の貧困のきめ細やかな実態把握に努めますことでより効果的な子供の貧困対策を展開してまいります。  また、民間団体が取り組まれている子供食堂などの活動につきましても広がりを見せているところでございまして、行政としてできる限りの支援を行ってまいりたいと考えております。          〔47番 田尻将博議員 登壇〕 ◆田尻将博 議員  ありがとうございました。  貧困もじわじわと右肩上がりになっております。やはりその中でも教育の機会を与えるというのが大きな一つのテーマでございます。  次に、本市の奨学金制度について1つお尋ねいたします。  子供の貧困の現状の中、高等教育も自己負担が多く、奨学金は返済を前提としたものがほとんどで、これでは貧困の連鎖は防げません。  教育は、経済、社会の発展といった国を支える基盤であります。そのため、持続可能な社会や日本の成長を支える人材を育成することは、国民個々の問題ではなく、社会全体の責任といっても過言ではありません。社会保障などの公的支援を受けている世帯の子供が経済的理由によって十分な教育機会を得ることができずに職業能力を身につけられないことや、奨学金返済のために生活困窮に陥ることは貧困の連鎖につながり、公的支援もまた引き継がれることを意味しています。生産年齢人口が減少する中において、逼迫する社会保障の担い手の確保という観点からも、まさに社会全体の問題であります。  日本では、1998年以降下がり続ける保護者の賃金収入と相反して上がり続ける大学の学費により、学生は奨学金を借りなければ大学に通うことが困難になっています。大学生・院生の保護者の教育負担に関する調査で、世帯年収が200万円から400万円の低所得世帯の学生の6割以上が奨学金を利用し、借入総額は平均301万8,000円と卒業後の奨学金返済が大きな負担となっており、生活困窮に陥ることがないよう、制度の充実、改善を図ることが急務であります。  基本は国の制度、政策ではありますが、地方自治体、大学、私立高等学校と独自の奨学金制度があります。連合本部、連合熊本は、国の奨学金制度の充実として意見書を提出しました。  その内容は、1つ、高校生を対象とした給付型奨学金制度の拡充と大学生等を対象とした給付型奨学金制度の創設について。2つ目、無利子奨学金を充実させ、延滞金制度の加算利息についてのさらに引き下げについて。3番目、返還猶予、返還免除、減額返還などの救済制度の周知と拡充を図り柔軟に適用させること。4番目、大学等の授業料減免制度を充実し、高等教育の学費の引き下げを図ること。以上、全国の自治体に意見書を提出させる運動を展開しています。  そこで、本市の奨学金制度についても、子供の貧困、低所得者対策、貧困の連鎖を防ぐ公的な安全網として制度の拡充ができないか、教育長にお尋ねいたします。          〔岡昭二教育長 登壇〕 ◎岡昭二 教育長  本市の奨学金制度につきましてお答え申し上げます。  本市では、昭和43年度から平成13年度まで給付型の奨学金制度を実施しておりましたが、対象者の大幅な拡大と増額についての要望を受けまして抜本的な制度の見直しを行い、平成14年度から現在の貸付型の奨学金としたものでございます。その際、貸し付けにつきましては無利子とするなど、返還の際の負担を考慮した制度といたしたところでございます。  また、学校等に在学中や病気療養中などの場合には返還を猶予する制度も設けております。さらに、事情により返還が困難な者に対しましては納付相談にも応じておりまして、個々の経済状況に応じた無理のない返済となるよう十分配慮しているところでございます。  このように、本市の奨学金制度は子供の貧困や低所得者対策の一助となっているものと考えておりますが、現在、国におきましても奨学金制度の充実につきましてさまざまな検討がなされているところでございまして、その状況も見きわめながら、今後、本市制度のあり方につきましても検討してまいりたいと考えております。          〔47番 田尻将博議員 登壇〕 ◆田尻将博 議員  ありがとうございました。  子供の貧困、そして奨学金制度は重要な政策でもあります。そして喫緊の課題でございますので、どうかよろしくお願い申し上げます。  ちょっと時間がなくなってまいりましたので、超スピードで走ります。  マイナンバー制度について。  2013年5月、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律を初めとする関連4法案、マイナンバー法が成立し、制度導入が正式に決定され、本年1月から運用が開始されています。  御承知のとおり、マイナンバー制度とは社会保障・税番号制度の通称で、日本国民と日本に居住する外国人一人一人に対して重複しない固有の識別番号、マイナンバーを割り振り、社会保障や納税などに関する個人情報を一元管理し、国民の利便性を高めると同時に、行政の透明化・効率化を図るための社会基盤として、従来国や市町村などがばらばらに管理してきた個人情報を連携させ相互利用を可能にし、民間企業も社会保障・税務関連の諸手続に利用されることとなっています。  国や自治体は、新聞や市政だより等でマイナンバー制度の紹介と普及について広報に力を入れています。導入前の昨年12月の世論調査では、この制度に対して78%の人が不安だと感じており、最も不安に感じることを聞くと、個人情報が漏えいしプライバシーが侵害されるとの回答が60%となっています。マイナンバーカードは希望者に交付される仕組みとなっており、マイナンバーカードを取得したいと思わない人が65%ともなっているといいます。世論調査から来る国民の反応はさまざまな不安と広報不足と思われます。マイナンバーカードの取得は希望者に対し交付されます。多くの市民が交付を受け普及して初めて活用されることになります。  マイナンバーが私たちの生活をどう変えるのかの記事を紹介します。  この制度が発足してすぐにはその恩恵を感じられないでしょう。しかし、長期的に見れば、マイナンバー制度は私たちの生活を快適にするといえます。マイナンバーを導入することでサービスを受けるまでの手続を電子上で行えるようになり、サービスの受給のために必要である複数の情報の照合を書類ではなくマイナンバーとセットになったネット上の情報で行われるようになります。その結果、必要となる書類の数が減り、窓口で職員とやりとりせずとも手続を完了させることも可能となり、時間や費用が大幅に削減されます。また、医療情報もマイナンバーとセットして管理し、薬の二重投与の防止や過去の診療履歴や手術歴、入院履歴などがセットされ、新たに病院に行ったときにその情報を参考にした適切な治療を行うことができるようになります。マイナンバー制度についても、個人情報の流出などといった負のイメージが少なからずあります。現時点では、マイナンバーを扱うことのできる機関は主に公的機関に限定しております。民間企業が勝手に私たちの番号を知ることはできないようになっていますと紹介しています。  2018年からは銀行の預金口座や健診情報にも任意で適用できるようになるようですが、政府の構想に対しても84%が反対と答えています。制度に期待すると答えた人は23%と低調となっております。  既に行政サービスが全国展開となり、コンビニ交付サービスが始まり、本市でも3月1日に開始されました。今議会に提案している総合計画、総合戦略の推進、区役所の組織改編やまちづくり対策に大変な影響を及ぼしかねないのではないでしょうか。  次の3点について市民局長にお尋ねいたします。  1つ、加入促進対策状況と広報活動はどうなっているのか。  区役所の組織改正とコンビニ対策はどうなっているのか。  個人情報保護との関係はどうなっているのか。  以上、お尋ねいたします。          〔永目工嗣市民局長 登壇〕 ◎永目工嗣 市民局長  マイナンバー制度についての3点の御質問でございます。  まず、加入促進対策と広報活動についてでございます。  本市では、市民の方にマイナンバー制度を正しく理解していただくために、市政だよりやホームページを通しての情報提供を初め、15万部のパンフレット配布、タウン誌への広告掲載、さらには自治会や公民館における出前講座や事業者向けの説明会の開催など、さまざまな機会や媒体を活用した普及啓発に取り組んでおります。  特に市政だよりでは、昨年10月以降、毎月制度概要をQ&A方式で紹介しているほか、これまでに3回の特集記事を組むなど細やかな周知に努めたところでございます。  また、3月からスタートするコンビニエンスストアでの証明書交付サービスにつきましても、ポスター掲出やリーフレットの作成、今月6日には市中心部での街頭キャンペーンの実施など、今後も引き続き市民の皆様にわかりやすく丁寧な広報活動を展開してまいります。  2点目、区役所の組織改正とコンビニ対策等についてでございます。  出張所等の再編につきましては、希薄化しつつある地域コミュニティの再構築を目指し、(仮称)まちづくりセンターの設置や地域担当職員の配置など、まちづくり支援機能の強化策の一環として取り組みを進めているところでございます。  一方、証明書のコンビニ交付サービスの開始や平成29年7月からの他自治体との情報連携により、今後、窓口での証明書発行業務は半減すると見込まれておりますことなどから、7つの出張所におきまして窓口業務を将来的に廃止する方針を示し、この再編により得られました人員を市全体での行政課題への対応や地域担当職員の重点配置などに生かすことでより効果的・効率的な行政運営を図ってまいります。  3点目、個人情報保護についてでございますが、議員お述べになりました世論調査に見られますように、マイナンバー制度に対する不安を多くの住民の皆様が感じておられることは承知しております。  証明書のコンビニ交付サービスにつきましては、情報セキュリティ対策として、通信されるデータ内容が全て暗号化されていること、マルチコピー機にはデータが一切残らないこと、画面表示や音声案内によりカードや証明書のとり忘れ防止のための措置がとられていること、また銀行のATMと同様な簡便な手続で利用できることも含めまして、これまで以上に周知してまいります。  マイナンバーに関連した個人情報、いわゆる特定個人情報につきましては、法令に基づき昨年11月までに特定個人情報を取り扱う事務について、情報の漏えい等の危険性や影響等を事前に評価し、その保護のために必要な措置を講じ、結果を公表したところです。また、昨年9月の定例会におきましては、マイナンバー制度導入に伴う個人情報保護条例の所要の改正も行いました。  今後も個人情報の保護については万全の体制で対応してまいります。          〔47番 田尻将博議員 登壇〕 ◆田尻将博 議員  ありがとうございました。  最後になりますけれども、熊本駅と田崎市場の改修について。  私は、西区に住む一人として、いい作文をつくりましたが、もう時間がありませんので、ポイントだけ申し上げまして、市長の答弁をいただきまして、最後に1分ばかり残してもらえれば結構でございます。  まず、JR九州から2月に駅周辺の開発構想が出ました。すばらしい、全国にもないような建物だそうでございます。また、田崎市場が正月の新聞にやっと改修という、腰を上げたという記事が載っておりました。  私どもは、熊本駅も市場もそうなんですが、小さい子供のときから遊んでいた場所でございます。私ももう64になりますが、いろいろな変遷をしてまいっております。しかし、これからやっと西区がもう一丁飛び跳ねる時期に来たんだなというふうに思いました。  この改修につきましてはどうしても市の支援が必要だろうと思いますので、どうか市長の御決意を、ぜひお願いしたいと思います。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  熊本駅と田崎市場の改修についてのお尋ねにお答えいたします。  まず、熊本駅の改修についてですけれども、JR九州による構想案では、商業施設やホテルが入る駅ビル、マンションや駐車場などが計画をされておりまして、さらに熊本市をイメージした日本で初めての水と緑の立体庭園を整備されるとのことで、憩いと潤いのある上質な空間になるものと大変期待をしているところでございます。その規模も博多駅に次ぐ大きな拠点開発になるということでありますので、本市が行う白川口駅前広場の整備や県の駅舎整備と相まって、この地域が大きく発展していく契機になるとさらに期待を膨らませております。  こうしたことから、九州中央の陸の玄関口にふさわしい、そういった拠点整備をしていく必要があるというふうに考えておりまして、今後、この駅前の再開発につきましては、機能面やデザイン面、さらにはにぎわい創出のための駅前広場の環境空間など、JR九州による熊本駅周辺の開発構想と調和を図った整備を行っていくことが重要でありまして、その実現のためにも都市計画の見直しなどを含め、JR九州や関係機関と連携しながらスピーディーかつ着実に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、田崎市場の改修についてでございますけれども、田崎市場は昭和38年の市場開設以来、市民の台所として大変親しまれる重要な役割を担っている拠点だと考えております。  今後、民間の企業が仲卸店舗街の建てかえの決定をされたというような報道もあっておりますので、今後もそうしたこの田崎市場の機能については民間ベースで進められて改修がなされていくものと考えますが、今後、県においても第10次卸売市場整備計画の策定が予定されておると伺っております。本市はこれまで田崎市場感謝祭への助成あるいは市場に隣接する道路改修等、周辺環境の整備等を市場の皆様と協議しながら行ってきたところでございますが、今後策定される第10次卸売市場整備計画での方向性を注視しながら、田崎市場としての考えもお聞きして、支援のあり方についても研究、検討してまいりたいと考えております。          〔47番 田尻将博議員 登壇〕 ◆田尻将博 議員  さすが大西市長、2分間とっておいてくれました。ありがとうございました。  きょうは代表質問ということで、総合計画、総合戦略、この市長の意気込みをお聞きいたしました。それと、公職選挙法が70年ぶり改正ということで、これも全国的な話題でございます。また逆に子供の貧困、奨学金、これも大きな社会問題であります。そしてマイナンバー、今後どう進んでいくか、これもますますです。また最後に、走りましたが、駅と市場の問題、これも本当にありがとうございました。  本市も政令市5年目、大西市長も就任2年目、市政が毎日毎日発展を続け、誰もが憧れる上質な生活都市に向け、議会、執行部、車の両輪として進もうではありませんか。  議員各位、インターネットをごらんの皆さん、傍聴者の皆さん、そして執行部の皆さん、御清聴ありがとうございました。代表質問を終わります。
     ありがとうございました。(拍手) ○藤岡照代 副議長  この際、議事の都合により休憩いたします。  午後2時に再開いたします。                             午前11時50分 休憩                             ───────────                             午後 2時00分 再開 ○満永寿博 議長  休憩前に引き続き会議を開きます。       ───────────────────────────────── ○満永寿博 議長  代表質問を続行いたします。鈴木弘議員。          〔36番 鈴木弘議員 登壇 拍手〕 ◆鈴木弘 議員  公明党の鈴木弘です。  熊本市議会が代表質問を導入して2回目になります。会派を代表して公明党市議団の考え方を示し、行政の捉え方、考え方を尋ねていきますので、答弁は大西市長が中心となると思いますが、よろしくお願いいたします。  時間も限られていますので、早速質問に入ります。  私たち公明党は、昨年12月に市議団のマニフェストをベースにした平成28年度予算編成に関する重点政策要望を大西市長に提出いたしました。  「人が活きる くまもと創生」をコンセプトに、1つ目に女性が躍動するまち、2つ目に若者が活きるまち、3つ目に温かで活力あるまち、4つ目に歴史と文化の魅力あるまち、そして5つ目に安心安全なまちの5分野にまとめた103項目の政策要望という構成になっています。  重点政策要望を提出した際、大西市長からは、多くの点で考え方を同じくするものであり、可能な限り政策に反映していきたいとのコメントがありました。  そこで、今回の代表質問は、この重点政策要望を中心に、平成28年度予算案や総合計画など各種計画についても質問を行ってまいります。  さて、具体的な質問の前に、平成28年度の熊本市をどのように捉えているかを述べたいと思います。  まず、平成28年度予算は、大西市長が誕生して初めての本格的な予算編成といえます。また、熊本市が行う政策の基本を示す第7次総合計画が策定されるほか、国の地方創生の流れを受けて策定されるまち・ひと・しごと創生総合戦略、この総合戦略策定の基礎となる熊本市人口ビジョンも決まります。  このほかにも、昨年熊本市が宣言を行った連携中枢都市圏構想の推進、都市再生特別措置法の一部改正を受けての立地適正化計画公共施設等総合管理計画、熊本県との共同事業である熊本都市圏交通マスタープラン、熊本地域公共交通網形成計画、国のガイドライン策定に伴う第2次熊本市自転車利用環境整備基本計画など、諸計画の策定、改定がめじろ押しです。長年議員をさせていただいていますが、これほど多くの基本的な計画の策定または見直しが行われるのは初めてではないでしょうか。  こうした大きな計画などの策定や改定が重なるのには大きな理由が2つあると考えます。1つは、日本がこれまで経験したことのない人口減少社会の到来です。そして2つ目には、戦後70年が過ぎ、日本も熊本市も社会構造変化の転換点を迎えているということです。  人口減少社会については平成26年に衝撃的な報道がなされました。日本創成会議によると、全国1,800ある自治体のうち2040年には人口減少で半数の自治体が消滅のおそれがあるとの指摘でした。同じく国土交通省も、全国の6割の地域で2050年には人口が半数以下になるとの予測を出しています。  有史以来、日本が初めて迎える人口減少社会の到来にどのように対処すべきか、国はこれに立ち向かうため地方創生をキーワードに、全国の自治体に27年度末までの人口ビジョンとまち・ひと・しごと創生総合戦略の策定を求めています。  また、イギリスから始まった産業革命以来、人類はこれまでになかった高度なインフラ整備技術を手に入れました。そして我が国でも明治維新以降、近代化が図られ、特に第二次世界大戦後の我が国は全国津々浦々までの社会インフラの整備を進め、今日の繁栄を築いてきました。こうした社会インフラも戦後70年が経過し、老朽化や社会に適合しない状況が目立ち始め、思わぬところで事故が発生する事態となっているのは御案内のとおりです。  こうしたことから、先ほど紹介した公共施設等総合管理計画の策定などが求められることにもなっています。  さて、平成28年度は、日本がこれまで経験したことのない人口減少社会の到来と、日本も熊本市も社会構造変化の転換点を迎えているとの認識を示しました。  そこで、まず初めに大西市長にお伺いいたします。  1つ目に、平成28年度を大西市長はどのように捉え、位置づけているのか、お考えをお聞かせください。  2つ目に、大西市政になって初めての本格的な予算編成となりました。どのような点に意を尽くしたのか、お考えをお聞かせください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  平成28年度をどのように捉え、位置づけているのかとのお尋ね、また予算編成についてお答えいたします。  議員が述べられましたように、我が国においては今後急速に人口減少が進むと予想されており、地方創生による人口減少対策に加え、社会インフラの維持管理と財政健全化の両立の観点から、既存ストックのマネジメント強化など、構造的な課題に国を挙げて立ち向かっていかなければならない重要な時期にあります。  さらに、本市においては政令指定都市に移行して5年目を迎えることとなり、実質的なセカンドステージに向け大きく飛躍していくための重要な年度になると認識しております。  このことから、総合計画を初め、総合戦略や連携中枢都市圏構想などの着実な推進により、本市の持続的な発展を維持していくことはもちろんのこと、県都として熊本県の牽引役を担うとともに、九州の中核を成す政令指定都市として九州全体の発展に積極的に寄与していかなければならないと考えているところでございます。  このような考えのもと、平成28年度当初予算については、上質な生活都市の実現に向けた第一歩となるよう編成したところでございます。  その際、私が特に意を尽くしたことは、本市の厳しい財政環境下において、これまで以上に事業の選択と集中を図ることに加え、私のマニフェストに掲げた項目も盛り込んだ第7次総合計画などに基づく取り組みを予算に的確に反映させることであり、優先配分枠なども活用しながら重点的な予算措置を行ったところでございます。  また、編成の過程では、公明党市議団の重点政策要望も含め、議会各会派からの予算に関する要望についてもできる限り反映するよう努めてまいったところでございます。  こうして編成いたしました平成28年度当初予算の中で特に重点化を図った項目を申し上げますと、まず人口減少克服などの観点から、次世代育成に向け、子供医療費助成の拡充や待機児童の解消のための保育の量と質の確保などの子育て支援の充実、学校教育コンシェルジュの新たな配置や小中学校の普通教室への空調設備設置などの教育環境の向上、女性の活躍に向けたセミナーの開催や事業者の支援などに取り組むこととしております。  次に、地域主義の実践などの観点から、地域コミュニティの維持、活性化に向け、町内自治会が設置する防犯灯のLED化に対する助成の充実、まちづくりの支援機能の強化のための地域カルテの作成などに取り組んでまいります。  また、県都として県全体の成長の牽引などの観点から、熊本の活力づくりに向け、UIJターンや地場企業PRなどの人材確保の支援、企業の本社機能移転の促進や地場企業の販路拡大支援などの産業振興、雇用創出に取り組むほか、熊本駅白川口駅前広場や桜町・花畑周辺地区の整備、東京オリンピックなどに向けた観光客の誘致やストーリー性のある観光ルートの構築、発信などの観光文化振興などにも取り組んでまいります。  私は、この重要な時期に市政を預かる責任者として、市民の先頭に立って地域主義の理念のもと、本市の魅力や可能性をさらに引き出し、目指すまちの姿である上質な生活都市を実現するため、市政運営に全力で取り組んでまいる所存であります。          〔36番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  大西市長とは、人口減少社会の克服と既存ストックのマネジメントの強化の重要性について認識を共有できたと思っています。その上で、さらに市長からは、政令指定都市移行5年目として大きく飛躍していくためのセカンドステージになるとの認識が示されました。執行部と議会とは、それぞれの特徴を生かし、これらの課題の克服に果敢に挑戦していきたいと考えています。  また、平成28年度予算の編成に当たって、大西市長のマニフェストを盛り込んだ第7次総合計画をもとに、特に重点化を図った項目として、まず人口減少克服のための次世代育成事業を挙げ、次に、地域主義の観点から地域コミュニティの維持、活性化、そして、県全体の牽引役としての熊本市の活力づくりを挙げられました。まず初めに少子化対策に通じる次世代育成を掲げられたことに賛意を表明いたします。  具体的な事業の子供医療費の拡充については、この後質問いたします。  その他の事業で気になるのが小中学校の普通教室への空調設備の設置です。  平成28年度予算案では、全中学校への設置費用と全小学校への設置経費が計上されています。総額で14兆3,300億円余となっています。子供医療費助成制度のように継続的に発生する経費ではありませんが、大変大きな経費になっています。公明党の重点政策でも教育環境の整備として一番に掲げ要望しており、多くの保護者の長年の強い要望でもあります。予算化されたことに敬意を表します。  その上で心配なことがあります。  予算化はしたが、国の補助がつかないといった事態です。その場合にどうするのかとは問いません。それよりも、確実に国の3分の1補助内示をかち取るよう強く求めるとともに、与党の一員としてもしっかりと要望していきます。  また、今議会に自民党さんから提出される公立幼稚園、小中学校における空調設備設置の促進を求める意見書にも賛意を表明しておきます。議会としてもしっかりと後押しをしていきたいと思います。頑張りましょう。よろしくお願いいたします。  次の質問に入ります。  人口減少社会の到来と社会構造変化の転換点であると述べましたが、このうちの人口減少社会の到来という視点を縦軸に、公明党市議団の重点政策要望、平成28年度予算案、第7次総合計画、まち・ひと・しごと創生総合戦略などについて質問していきます。  公明党の重点政策要望の女性が躍動するまち・くまもとづくりでは、1番目に子供医療費の拡充など子育て支援の拡充を求めています。この子供医療費の拡充では、具体的には将来にわたり持続可能な制度となるよう配慮しつつ、中学校3年生までの拡充を求めました。  平成28年度予算案を見ると、平成29年1月から現在の小学校3年生までだった子供医療費を一気に中学校3年生まで拡充するとしています。  公明党はこれまで一貫して子供医療費の拡充を求めてきました。私が初めて議員になったころは3歳未満児が対象だったと記憶しており隔世の感がありますが、議会の皆さんの力もあり、段階的に拡充が図られてきました。  特に都市圏で見た場合、周辺市町村では、対象者が少ないこともあってか熊本市より拡充されているところが多く、子供医療費の中学校3年生までの拡充は市民の皆さんの強い要望でもありました。  これまでの議論で、1歳対象を広げるのには約1億円の予算が必要であることなどが示されてきました。これで計算すると、一気に中学校3年生までにするには6歳分の財源が必要で、その想定額は約6億円ということになります。  そこで公明党市議団は、一気に上げたのはよいが、財政負担がかさみ、ほかの対策経費に大きく影響が出ないよう、具体的に将来にわたり持続可能な制度とするよう求めてまいりました。  そこで大西市長にお伺いいたします。  1点目、子供医療費の中学校3年生までの拡充は、大西マニフェストの公約でもあります。今回の提案をどのように感じられていますか。  2点目に、今回提案された子供医療費の拡充は、将来にわたり持続可能な制度となったとお考えですか。  3点目、どのような検討過程を通して今回の提案となったのでしょうか。  4点目、今回の提案は市民の一部負担が変わります。戸惑いもあるかと思いますが、どのように市民の理解を求めるのでしょうか。  以上4点について大西市長にお伺いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  4点の質問について順次お答えいたします。  1点目の子供医療費の対象年齢の拡充につきましては、マニフェストの作成に当たって多くの市民の方々から御意見を伺ってきた中でも、最も要望が多かったものの一つでございます。  この理由としましては、周辺市町村のほとんどが対象年齢を中学校3年生まで拡充している状況で、本市だけが小学校3年生となっている地域間格差に対する不満のほか、小学校3年生まで自己負担500円で安心して受診できていたものが、小学校4年生となると同時に医療費の3割を全額自己負担しなければならないという経済的な負担に対する不安があるものと考えております。  このような市民ニーズにできる限り早急に対応し、子供の医療費に係る安心感を増大させることが重要であると判断いたしまして、一気に中学校3年生までの拡充案を次年度予算に反映させたものであり、現在の医療費助成を段階的に中学3年生まで充実しますという私のマニフェストの早期実現を図ることができたものと考えております。  2点目の持続可能な制度となったかとの御質問でございますが、子供医療費の拡充に当たってこれまでも本会議で幾度か御質問をいただく中で、財源の9割を一般財源が占める本制度については、本市の将来にわたる財政状況を勘案することが必要不可欠であり、自己負担の見直しも含めて持続可能な制度となるよう制度設計を行う必要があることを申し上げてまいったところでございます。  自己負担額の引き上げに伴い、現行の助成対象者の一部については負担増をお願いすることとなりますが、その結果、追加財源を約4,200万円に抑制することができ、将来にわたり持続可能な制度となったものと考えております。  3点目の改正案の制度設計に当たっては、既存事業の廃止や見直しなどにより制度拡充に伴う追加財源の捻出を図るとともに、自己負担額と助成総額を組み合わせたさまざまなパターンを試算し、持続可能な制度となるよう検討を重ねてまいりました。  検討過程においては、現行の助成対象年齢については自己負担額を据え置き、新たに対象となる年齢に限って自己負担額を引き上げることも検討したところでございますが、限られた財源の中では高額な自己負担額を設定せざるを得ず、年齢拡充による恩恵を受ける割合が著しく低下してしまうこと、また年齢階層ごとに異なる自己負担額とすることは制度が複雑になり、市民を初め実際に自己負担額を徴収する医療機関等の事務的負担も大きくなることから、今回のような無料もしくは自己負担額1,000円といった簡素な制度としたところでございます。  4点目の市民への説明に関しましては、今回の改正案では、入院、通院、調剤ごとの自己負担額や対象年齢が大きく変わることから、平成29年1月の施行までに市政だよりや市のホームページ等による周知のほか、私自身も市民の皆様との直接対話などの機会を捉えて改正の趣旨説明を行うとともに、御意見についても伺ってまいりたいと考えております。          〔36番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  子供医療費助成制度の拡充が中学校3年生まで一気に拡大することになります。地域の方々に報告した反応では、おおむね好印象で受けとめておられるようです。また、検討過程では、制度の趣旨を生かしつつ持続可能な制度とするため、いろいろなシミュレーションをされた上で約4,200万円増に抑制する案となっているようです。  その上で、指摘したように、自己負担が増額されることへの戸惑いや不安が十分予測されることから、実施が来年1月と時間もあることから、大西市長の答弁にもあったように、市民のいろいろな意見を聞き、改善すべき点があれば改善するよう求めておきます。  現在把握している市民の方々の詳細な意見については総括質疑で取り上げていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次の質問に入ります。  人口減少社会の到来という観点を縦軸に質問していくと述べました。  この人口減少社会の到来の中核を成すキーワードが少子化問題だと考えています。  冒頭紹介した日本創成会議の指摘も、いわゆる出産適齢期の女性が50%以上減少する市町村が消滅の危機にあるとしています。このような人口減少社会に真正面から向き合うには、少子化対策の強化が急務と考えます。  さて、山田昌弘中央大学教授とともに婚活を提唱し、ブームを起こした少子化ジャーナリストの白河桃子氏を御存じだと思います。白河氏は相模女子大学客員教授で、政府が進める一億総活躍国民会議のメンバーでもあります。  白河氏の投稿論文に触れる機会がありました。今必要な子育て支援とはという特集での投稿です。  投稿の中の産める空気がない日本という言葉に目がとまりました。日本は先進国ですから、出産を強要することはもちろんできません。そこで、国ができることは、希望する人が希望する年齢で結婚しやすく、望む数の子供を産めるような環境を整備することだとの主張です。これを白河氏は、現代風に産める空気のある土台づくりと表現しています。つまり、個人が望む形での結婚や出産を受容できる社会の整備が必要だと述べています。そのとおりだと思います。  産める空気がない日本から産める空気のある土台づくりへと日本を、この熊本を変えていくことが大変重要だと改めて認識しました。出産の選択は個々人の選択ですが、白河氏の言うとおり、産める空気感のある社会の土台づくりこそ、自治体の大きな仕事だと思います。  白河氏は投稿論文で、そのために必要なものとして、第一に経済的な不安を取り除くことを挙げています。そして第二に、若い方の恋愛や結婚をリスクと捉える風潮を転換し、ポジティブな面に目が向くよう働きかけることだとしています。  政府も対策に乗り出しています。平成28年度予算では、社会保障関連経費のうち、前年比2.5%増の約2兆円を計上。全ての子供が健やかに育つための総合対策の推進として、ひとり親家庭等への支援の充実、社会的養護の推進、児童虐待防止対策の強化などを打ち出しています。また、内閣府でも少子化対策の予算が計上されるなど積極的に対策を進めようとしています。  そこで、大西市長と健康福祉子ども局長にお尋ねいたします。  1点目、今回は人口減少社会を縦軸に質問を進めています。そのために必要なのが少子化対策であると指摘しました。また、白河桃子氏の投稿論文を参考に、産める空気がない日本から産める空気のある土台づくりへの転換が大変重要だとの認識を示しました。熊本市にとって少子化対策は待ったなしだと考えますが、いかがでしょうか。大西市長に伺います。  2点目、国も少子化対策に力を入れていると述べました。熊本市の平成28年度予算案で、中学校3年生までの子供医療費の拡充以外に国の予算を活用して取り組む少子化対策の事業をお示しください。健康福祉子ども局長にお尋ねいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  少子化対策につきましては、本市においても喫緊の課題であると認識しているところでありまして、本議会に議案として上程している熊本市基本構想においても、将来にわたって活力ある社会を維持していくためには、効果的な少子化対策を講じ、出生率を向上させていくことの必要性を掲げているところでございます。  また、同じく熊本市基本計画案にも施策の一つとして安心して子供を産み育てられる環境づくりを掲げており、その検証指標として年間出生数7,000人以上としているところでございます。  少子化の要因は、未婚化、晩婚化、晩産化を初めとした複合的な要因が考えられますが、本市の総合戦略及び人口ビジョンの策定に当たって実施した結婚、出産、子育てに関する意識調査では、全国的な傾向と同様に、現実の子供の数が理想的な子供の数を下回っていたことから、若者の結婚、出産の希望をかなえるため、従来の子育て支援策とともに結婚支援や妊娠、出産に関する支援策についても、これまで以上に充実してまいりたいと考えております。  また、調査結果からは、理想の子供の数を持てない理由として、経済的理由や仕事との両立の難しさを挙げる回答が若年層ほど多かったことを踏まえ、仕事と子育ての両立支援や若者の経済的安定を図る取り組みについても今後重点的に取り組むことで、若い世代が子供を産み育てやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。          〔宮本邦彦健康福祉子ども局長 登壇〕 ◎宮本邦彦 健康福祉子ども局長  国の予算を活用した少子化対策についてお答え申し上げます。          〔議長退席、副議長着席〕  少子化対策事業につきましては、平成26年度から補正予算を組み実施いたしているところでございまして、本年度は日本創成会議座長の増田氏を基調講演者としてお迎えし、本市の少子化戦略を考えるシンポジウムの開催を初めとして、さまざまな事業の展開により、広く市民や事業主の皆様の少子化に対する意識の醸成にも取り組んでいるところでございます。
     新年度におきましては、未婚男女を対象に結婚等の意識啓発セミナーを兼ねた出会いの場の提供事業や、大学生などに未婚化、晩婚化やさまざまな子育て支援策に関する講義を受講していただき結婚や子育てに関する意識啓発を図る事業、さらには、子育てと仕事の両立のための職場環境整備に取り組んでおられる企業の表彰認定事業など、既存の事業を拡充発展させますとともに、結婚支援につきましては未婚者のニーズ調査を実施した上で新たな事業の立ち上げについても取り組んでまいります。  また、不妊治療助成費の増額及び男性不妊治療への新規助成や多子世帯等を対象とした保育料の減免制度の拡充など、結婚から子育てまで切れ目のない支援を行うことで少子化対策をさらに加速させてまいりたいと考えております。          〔36番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  熊本市は市民の希望出生率を2.1と定めました。これは国の1.8よりも大きく、熊本県の2.0よりもコンマ1大きな数字となっています。この熊本市希望出生率2.1の実現のためには、あらゆる政策を総動員する必要があると考えています。この意味でも、大西市長とは少子化対策の重要性を共有できたと思います。しっかりと対策を求めておきます。  市が人口ビジョン策定に当たって実施した市民アンケートでは、最終的に持つつもりの子供の数が平均1.88人に対して、理想的な子供の数は平均2.46人、その差0.58と高い数字を示しています。この理想的な子供の数2.46人を見ても、希望出生率2.1の実現は不可能ではないと確信をしています。  国の予算を活用して、少子化対策事業として子育てと仕事の両立を応援する企業の拡充が示されました。具体的には表彰認定制度を創設することになっているようです。市長から普通の表彰状や認定書を渡すのではなく、名称なども工夫してインパクトのあるものにしていただきたいと思っています。市民アンケートを見ると、今後、結婚しようと思っている女性の方の73.9%が仕事を続けたい、または一旦やめても復職したいと回答しています。認定企業がふえることを期待しておきます。  次の質問に入ります。  少子化対策に関連して、熊本市の人口ビジョン及びまち・ひと・しごと創生総合戦略について伺っていきます。  人口ビジョンでは、34年後の2050年の熊本市の人口について、およそ70万人を維持するとしています。さらに64年後の2080年には65万人程度に、2090年以降は年間数百人程度の増加に転ずるとしています。  21世紀後半をきちんと乗り切れば、少しずつ増加する安定的な熊本市を22世紀の後輩たちに引き継げることになります。やりがいのある仕事だと思います。  人口ビジョンでは、この予測を達成するために必要なものとして、先ほど述べました独自のアンケートにより熊本市民希望出生率2.1の達成と、年間約400人程度の転入超過による人口の社会増の達成を目指しています。  この人口の自然減と社会減対策として策定されるのがまち・ひと・しごと創生総合戦略ということになります。  熊本市は、この総合戦略でまち・ひと・しごとの順番を入れかえて、しごと・ひと・まちとし、仕事に力点を置いた対策を進めるとしています。  この仕事に力点を置くことについては、先ほど紹介した白河氏が指摘した産める空気がない日本から産める空気のある土台づくりへと変えていくために、第一に経済的な不安を取り除くことを挙げており、認識は一致しています。また、土台づくりを行う自治体という側面で考えれば妥当であろうと考えます。  その上で気になることがあります。  仕事に力点を置いた総合戦略の展開として、基本戦略が定められました。この基本戦略は3つの基本目標で構成されており、紹介すると、基本目標1は移住・定住の促進と交流の活発化、基本目標2は少子化の克服と次世代育成、基本目標3は地域の特性に応じた社会環境の創出としています。  基本目標1は人口の社会減対策ですから、市の外から人々を呼び込むことを目的にしています。基本目標2は自然減対策と言えます。今熊本市に住む人々の希望する出産ができる環境整備を目的にしています。  熊本市の人口ビジョンを達成するためには自然減を抑制することが第一優先で、これと並行してではありますが、次に社会増を進めることが重要だと考えます。どのように産める空気のある熊本市にするのか、今住んでいる市民の満足度を上げれば自然と移住・定住も進むと思われるからです。  もちろん、基本目標1の移住・定住の促進と交流の活発化での施策で、雇用の場の拡大と雇用の質の向上を一番に挙げており、そのこと自体は間違いではありませんが、基本目標2の少子化の克服と次世代育成の施策でも、例えば世帯所得の向上策なども挙げるべきと考えます。  市民アンケートでも、今後どのようなことがあれば出産がふえてくると思うかとの問いに、出産や子育てに係る経済的負担の軽減が58.5%と1位を示しているように、家計のベースとなる安定した収入の確保が重要となります。  もちろん、28年度予算案で提案されている子供医療費の拡充などが経済的負担の軽減に大きく寄与することは明らかであり、これを否定するものではありません。  私たち公明党市議団は、少子化対策を女性が輝くまち・くまもとづくりの中に入れています。これは、女性が輝く社会であれば少子化対策も総合的に進み、白河氏が2番目に指摘した若い方が恋愛や結婚をリスクと捉える風潮を転換し、ポジティブな面に目が向くようになると考えるからです。  そこでお尋ねいたします。  1つ目、熊本市人口ビジョンの2050年に人口70万人を実現するためのポイントを示してください。  2つ目に、熊本市しごと・ひと・まち創生総合戦略で、仕事に力点を置いた総合戦略の展開とした理由を示してください。  3つ目、基本戦略として基本目標を3つ設定していますが、1、2、3となっていることから優先順位があるように感じますが、どのようになっているのでしょうか。  4つ目、少子化の克服には何が必要と考えていますか。  以上4点について、大西市長に答弁を求めます。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  人口ビジョンとしごと・ひと・まち創生総合戦略に関して4点のお尋ねでございますが、まとめてお答えをさせていただきます。  人口ビジョンでは、市民が希望する出生率の達成と転入超過数の現状維持によって2050年においても70万人程度の人口が確保されるという将来を展望し、それに向けて少子化の克服と次世代育成、移住・定住の促進と交流の活発化、地域の特性に応じた社会環境の創出の3つの基本的な施策を一体的に取り組むこととしております。  これを踏まえ、今回の総合戦略では、この3つの施策を基本目標に掲げ、目標達成に資する取り組みについて優先順位をつけることなく一体的に推進することで、しごと・ひと・まちの好循環を生み出してまいりたいと考えております。  次に、議員お尋ねの少子化につきましては、価値観の多様化やライフスタイルの変化を初め、さまざまな要因や背景が複雑に絡み合っていると考えられます。  そうした中で、本市では人口ビジョンや総合戦略の策定に当たり市民アンケートを行ったところ、少子化の要因である未婚化、晩婚化、晩産化については、結婚後の経済的な負担や家庭と仕事の両立、結婚後の生活に対する不安が大きく影響していることが明らかとなりました。  こうした結果から、本市では少子化のさまざまな要因の中でも雇用の場の確保や就業環境の整備を最も喫緊の課題と捉え、雇用の質を重視した取り組みや安定的な雇用の量の確保、拡大に向けた取り組みなど、仕事に力点を置いた総合戦略としたところであります。  今後、この総合戦略に基づき、仕事に関した取り組みに力点を置きつつ、結婚から妊娠、出産、子育てまでのライフステージに応じた切れ目のない支援や地域コミュニティの再生など、総合的な取り組みを官民挙げて長期的、継続的に実施し、人口減少の克服に取り組んでまいりたいと考えております。          〔36番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  基本目標では1から3までの数字をつけていますが、優先順位ではなく一体的に進めるとの答弁でありました。  仕事に力点を置いた総合戦略としたことには賛意を示しますが、基本目標1の移住・定住の促進と交流の活発化に目が行き過ぎ、少子化の克服と次世代育成が薄れはしないかとの危惧から、あえて大西市長にお伺いいたしました。市長からは総合的な取り組みを官民挙げて長期的、継続的に実施するとの決意が述べられましたので、どうかよろしくお願いいたします。  次の質問に入ります。  あえて少子化の克服についてお尋ねいたします。  熊本市しごと・ひと・まち創生総合戦略では、この3つの基本戦略を進めるためのリーディングプロジェクトを4つ掲げていますが、その中には少子化という言葉も少子化の克服という言葉も入っていません。その点が大変気になるのです。少子化を克服するためのリーディングプロジェクトがあってもよいと考えています。  さて、話は変わりますが、私は、社会も個人も、量的にも質的にも活力が生まれるためには「甲斐」がとても重要だと考えています。  この「甲斐」とは生きがい、やりがいなどと表現されますが、辞書では、したことの効き目、するだけの価値と書いてあります。熊本で働いてみよう、熊本で暮らしてみよう、熊本に移り住んでみよう、子供を産んでみよう、勉強してみよう、こうしたポジティブな考え、行動は、するだけの値打ち、価値を感じなければ行動に移しませんし、行動後に結果が得られれば幸福感が増大します。また、思っていた結果が得られなかった場合でも、一歩踏み出すことができたことで次のステージが見えてきます。  さて、リーディングプロジェクト策定は、熊本市の強み、特性に着目した結果だとの説明がありました。  熊本市はその強み、特性を4つ挙げています。魅力ある文化財、豊富な農水産物、充実した医療、福祉、そして多種多様な地場産業です。この4つから導き出されたのが4つのリーディングプロジェクトになります。これら4つはもちろん熊本市の特性であることは間違いありません。否定するものでもありません。  しかしながら、リーディングプロジェクトを決めるに当たって、この4つだけの特性に着目したことから、基本戦略との間に飛躍というか乖離が生まれたのではないでしょうか。  この認識に立っての指摘ですが、創生総合戦略は、熊本市人口ビジョン達成のため、熊本市を創生するための総合的な戦略の打ち出しであり、リーディングプロジェクトによって人口の自然減と社会減対策がなされ、市民希望出生率では2.1を上回り、年間平均400人程度の転入超過を生み出すものでなければならないと考えます。  熊本市の特性について、公明党市議団のマニフェストでは、前々回の国勢調査をもとに熊本市の特徴を導き出しています。  このマニフェスト策定のための基礎調査では、九州の県庁所在市と政令市との年齢別、男女別などの多種多様な人口統計の比較検討を行いました。結論から言うと、我が都市熊本市は、福岡市に次いで希望の持てる都市であることがわかりました。その理由となったのは、人口構成の2つの特徴です。1つは、福岡市に次いで若者の比率が高いことです。人口比では政令市の北九州市を抜いています。2つ目に、20代後半から30代の女性が他都市と比較して多く熊本に残っているということです。この傾向は、さきに行われた簡易国勢調査でも同様の傾向を示しています。  公明党の重点政策要望で、1番目に女性が輝くまち・くまもとづくりとしたのも、2番目に若者が活きるまち・くまもとづくりとしたのも、こうした熊本市ならではの特徴を踏まえた上です。こうした特徴を生かすことこそ、人口ビジョンを達成する大きな力になると考えています。  そこでお伺いいたします。  1点目、打ち出した4つのリーディングプロジェクトは、熊本市の人口の自然減・社会減対策にどの程度寄与するとお考えですか。それぞれのプロジェクトごとに自然減、社会減ごとにお答えください。  2つ目に、リーディングプロジェクトに少子化の克服を入れるお考えはありますか。熊本市は他都市と比較して、20代後半から30代の女性が多く熊本に残ってくれています。また若者の多い都市でもあります。少子化の克服とあわせ、女性と若者にスポットを当てたリーディングプロジェクトも策定されてはいかがでしょうか。  以上2点を大西市長にお伺いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  本市の地方創生総合戦略におけるリーディングプロジェクトに関する2点の御質問についてお答えいたします。  まず、各リーディングプロジェクトの自然増・社会増への寄与度についてのお尋ねでございますが、自然増減・社会増減の要因は極めて複雑でありまして、寄与度を具体的に示すのは困難でございます。  本市といたしましては、人口減少社会の克服に向け、総合戦略において少子化対策や移住・定住の促進につながる取り組みを一体的かつ戦略的に推進してまいりたいと考えております。  次に、少子化の克服や女性、若者をターゲットとしたリーディングプロジェクトを加えてはとの御提案でございますが、言うまでもなく、少子化の克服はまち・ひと・しごと創生法の大きな目的であることから、本市の総合戦略においても基本目標の一つとして位置づけているところでございます。  また、若い世代や女性をターゲットとすることは今回の総合戦略の基本的な前提となっていることから、若い世代の創業支援や女性が輝く場の創出、さらには家庭と仕事の両立支援といった女性や若者に焦点を当てた取り組みを総合的に推進することとしております。  今後、リーディングプロジェクトを中核としながら、総合戦略の取り組みを着実に推進することにより少子化を克服し、女性が輝き、若者が生き生きと暮らすまちづくりに向け、地方創生に取り組んでまいりたいと考えております。          〔36番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  4つのリーディングプロジェクトによって自然減・社会減に寄与できるかは具体的に数値を検証できる段階ではないようです。今後、事業が展開される中でそれらの検証を求めておきます。  また、総合的なマニフェストもそうですが、いわゆる総合型の計画をつくる場合、テーマは1つ、テーマを体現するコンセプトにある基本戦略等はおおむね3つ、これを受けての具体的な政策のカテゴリーは5つないし7つというのが一般的なようです。このことからも、あえて少子化の克服や女性、若者をターゲットとしたリーディングプロジェクトを加えてはどうかと提案いたしました。  この件に関しては、大西市長からは、まち・ひと・しごと創生法の大きな目的であること、2番目に若い世代や女性をターゲットとすることは今回の総合戦略の基本的な前提であるということ、それから、少子化を克服し、女性が輝き若者が生き生きと暮らすまちづくりを進めていくとの答弁がありましたので、これを了としたいと思います。  次に、第7次総合計画についてお伺いいたします。  議案でいうと、議第111号の熊本市基本構想及び熊本市基本計画の策定等についてということになります。提案理由では、地方自治法の規定により市議会の議決を求める必要があるとしています。  熊本市議会では、従前は基本構想のみを議決案件としており、基本計画は議決案件とはしていませんでしたが、議会活性化の観点からも、今は基本構想と基本計画の両方を議決案件としています。  提案書の総ページ134ページのうち、基本構想が10ページ、基本計画が124ページにわたります。かつて基本構想だけが議決案件であったときは、基本構想について有識者による審議会などを経て提案されてきました。  うがった見方になりますが、かつては議案である基本構想は審議会などの答申を受けた上で議案として提出したことから修正や論議がしにくくなり、基本計画は説明すればいいといった空気があったように思います。その意味でも、構想も計画も議案としたことは、一方で策定の責任を議会も共有するという側面を持つことになり、しっかりとした論議が求められます。  さて、総合計画の都市整備の方針を見ると、中心市街地を活性化しつつ、中心市街地と地域拠点が多核的に連携する、いわゆる多核連携都市の実現を目指す点では現在の基本構想を踏襲しています。  その上で、都市整備委員会で議論があった地域拠点から外れた地域の活性化はどうするのかとの指摘に対しては、文言の表現などで一定の配慮がなされているようにも感じますが、委員会での指摘は重要な観点と思われるため、考え方を示していただきたいと思います。  私の住んでいる東区で見ると、託麻と健軍が地域拠点になっています。ほかにも多くの活性化すべき地域があると思われます。一番人口も多く密集している東区でもこうした問題があります。ほかの区ではさらに多いと思います。多核連携都市の推進が具体的に進むにつれて、地域拠点となっていない地域は取り残されるのではとの不安です。こうした声を代弁するのも議員の大切な仕事だと思います。  そこで大西市長にお伺いいたします。  今回の基本計画では、都市整備委員会の議論を受けてどのような思いでの提案となったのか、そのお考えをお示しください。その上で、地域拠点となっていない地域で、取り残されるのではと不安を感じている地域の皆さんにメッセージがあればお願いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  今回提案しております基本計画の都市整備の方針についてお答えいたします。  都市整備の方針においては、都市整備委員会での議論を踏まえ、市民にとって一番身近な生活拠点を守り、愛着の持てる地域の形成を図ることを追記するとともに、生活拠点も含めた地域生活圏のイメージ図も挿入したところであり、この内容については現在策定中の立地適正化計画にも反映させているところでございます。  本市が目指している多核連携都市は、今後の人口減少等を見据え、地域生活圏の最後のとりでとなる地域拠点に日常生活に必要な機能を確保し、コミュニティ交通の導入などによる拠点へのアクセス向上を図ることで、地域拠点やその周辺に居住する人だけでなく、それ以外の広域的な範囲にお住まいの方々にとっても生活の利便性を確保するために取り組んでいるものであります。  このような中で、議員が述べられたように、地域拠点から外れた地域にお住まいの方々は将来への不安をお持ちであることは、私も十分に認識しているところであります。  このことから、少しでも安心感を持っていただきたいという思いから、生活拠点に対する方向性を記載させていただくとともに、今後とも市民の皆さんの暮らしやすさを確保するため、さらには誰もが住みやすさを実感できるように多核連携都市の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。          〔36番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  第7次総合計画の多核連携都市構想は、第6次総合計画から取り入れられた考え方で、少子高齢化という未曽有の人口減少社会を見据え、熊本市の活力を維持、発展させるものとして示された構想と理解しています。その方向性を支持もしてきましたが、経験したことのない社会の到来に誰もが感じている不安をともに共有するところから事業を進める必要があると考えています。  その意味でも、大西市長は市民との意識の共有を大事にする市長と考えていますので、あえて質問として取り上げさせていただきました。今後も丁寧に市民の思いを共有し、またその思いを一番身近で共有している議会の意見に耳を傾けていただくよう求めておきます。  次の質問に入ります。  次に、総合計画について、しごと・ひと・まち創生総合戦略と同様に、人口減少社会への対応、特に少子化対策の縦軸で質問します。  基本計画では、まちづくり重点的取り組みが3つ掲げられています。  紹介すると、1、安心して暮らせるまちづくり、2、ずっと住みたいまちづくり、3、訪れてみたいまちづくり。2番、3番の何々してみたいという表現は、私が先ほど指摘した「甲斐」、生きがいがあるという言葉に通じます。ポジティブで行動を起こそうという意思が感じられます。これに対して、安心して暮らせるだけは、何々したいという表現ではなく、暮らせるという断定的な表現になっています。強い決意のあらわれだと判断しています。  この1、安心して暮らせるまちづくりで、一番に誰もが安心して子育てできる環境整備をうたっています。この点は大いに評価できると感じています。  一方、まちづくり重点的取り組みを受けて策定された分野別施策、これは主に担当局別施策ですけれども、これで見ると、健康福祉子ども局が担当する3番目の生涯を通して健やかで、いきいきと暮らせる保健福祉の充実の5番目に安心して子供を産み育てられる環境づくりとうたわれています。  総合計画が自治体の最高位の計画であることから、総合と名のつくように網羅的になることは否めませんので、まちづくり重点的取り組みと分野別施策でも健康福祉子ども局の担当分野に掲げられた点は評価します。  その上で何点かお伺いいたします。  1点目、まちづくり重点的取り組みでは、誰もが安心して子育てできる環境整備とうたい、分野別では、安心して子供を産み育てられる環境づくりと、「産み」の言葉が加わった表現になっています。この分野別での産み育てられると、重点的取り組みの子育てできるとは、考え方に違いはあるのでしょうか。違いがあれば示していただき、そうでないのであれば統一されてはいかがでしょうか。  2点目に、事業推進は分野別であることから健康福祉子ども局が主管することになるため、分野別での基本方針や主な取り組みを見ると従前の施策が網羅されているように感じますが、特に新たに取り組んでいこうと考えている取り組みがあればお示しください。  以上2点について、大西市長にお伺いいたします。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  重点的取り組みにつきましては、喫緊の課題である待機児童対策などの子育て家庭への支援や小中学校等における教育環境や教育の質の向上など、社会全体で子供たちの健やかな成長を支援する必要がある視点から、子供部門と教育部門から成る共通分野にスポットを当てているものでございます。  したがって、表題についても両部門の取り組みを総括的に表現するため、子育てできる環境整備としたところであります。  一方、分野別施策においては、教育部門以外の子供施策を網羅的に掲載しており、「産み」の表現を加えたところであります。
     今後、この総合計画に沿って、子供と子供を取り巻く社会全体の温かい環境づくりに取り組み、市民が住み続け、誰もが住んでみたくなる安心して暮らせるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。  また、少子化対策に関しましては、全庁的な各種施策と効果的に連携した取り組みが必要なことから、子供部門の施策に限らない若年層の雇用環境や経済的安定、仕事と子育ての両立支援といった働き方改革などの関連施策も含め、総合的な取り組みを進めていかなければならないと考えております。  そこで、少子化対策に関連する新たな取り組みとしては、さきにも少し局長答弁で御紹介いたしましたとおり、未婚者に対する出会いの場の提供に加え新たな結婚支援に取り組むほか、待機児童対策などの子育て支援策の拡充とともに、企業の本社機能移転や企業誘致などの雇用の場の確保にもつながる取り組みを進めるなど、全庁横断的に総合的な少子化対策に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。          〔36番 鈴木弘議員 登壇〕 ◆鈴木弘 議員  「産み」という言葉にこだわった質問となりました。重点的な取り組みに「産み」の言葉がないのは、子供部門と教育部門にまたがるためとの説明でした。今回の代表質問で、少子化対策という軸を中心に質問をした背景もここにあります。総合計画の理念を実現するためには具体的な対策が重要となりますが、この施策が分野別、つまり担当局ごとになることから、一貫したポリシーで検証する必要があると感じたためです。  今回の質問全体で、少子化の克服に向けた大西市長の強い思いも確認できました。この点、大変よかったと感じています。  公明党市議団は、次世代によりよい熊本市を引き継ぐために、今後も会派としての考えをまとめ、提案、議論を進めていきます。  大西市長からは、少子化対策として、全庁横断的に総合的な少子化対策に取り組んでいくとの決意がありました。そのための全庁横断的な、例えば対策本部を設置されてはいかがでしょうか。求めておきたいと思います。  きょうは子育て、少子化対策を中心に、平成28年度予算、それから総合計画、地方創生総合戦略等について私たちのマニフェストも紹介しながら質問をさせていただきました。  さて、今月8日は国際女性デーになっています。この国際女性デーのシンボルがパンとバラというふうになっておりまして、パンは生活の安定、バラは生活の質の向上をあらわしていると伺いました。この国際女性デーは、女性の生活をよくすることや差別をなくすことを求めて始まった運動であり、1904年3月8日、ニューヨークで1万5,000人の女性が労働時間の短縮や選挙権、賃上げを求めデモ行進を始めたのが始まりだと思います。  女性が輝く社会は道半ばであると、このように私たち公明党市議団は思っております。今後とも、女性が輝く熊本市、そして若者が生きる熊本市を目指して、しっかりと取り組んでいくという決意を述べまして代表質問を終わります。  御清聴いただきました皆さん、本当にありがとうございました。(拍手)       ───────────────────────────────── ○藤岡照代 副議長  白河部貞志議員。          〔35番 白河部貞志議員 登壇 拍手〕 ◆白河部貞志 議員  こんにちは。くまもと未来の白河部でございます。  くまもと未来を代表し、質問をさせていただきます。  第1回定例会における代表質問は、次年度の市政運営の基本方針や当初予算等を中心にお尋ねするのが王道かと思います。しかしながら、既に3会派からこのような趣旨のお尋ねがあっており、お答えも大方出尽くした感があります。重複するところもありますけれども、私は平成28年度の熊本のまちづくりについて、私どもくまもと未来の主張に基づき、少し違った観点から大西市長を初め執行部のお考えをお尋ねしたいと考えております。明快で前向きな答弁をお願い申し上げます。  さて、大西市長は、各会派からの質問に対して、今回の当初予算については第7次総合計画や、しごと・ひと・まち創生総合戦略などに掲げる重点的取り組みや、リーディングプロジェクトに掲げる施策や事業、また一昨年の市長選で掲げた130項目に及ぶマニフェストの着実な推進を図ること、加えて、政令指定都市移行後5年目を迎える中、名実ともに九州中央の拠点都市として、本市のみならず、熊本都市圏、さらには熊本県域全体の牽引役としてしっかりと役割を果たすことなどに特に意を用いて編成したと述べられています。  そこで私は、今議会において議案として提案されている第7次総合計画と、一昨年の市長選において掲げられたマニフェストとの関係についてお尋ねいたします。  私は、大西市長がなぜ総合計画を前倒しして見直されたのか、また計画期間もこれまでの10年から市長任期との整合性に配慮され、前後期4年の8年計画になぜ変更されたのか、今議会で提案されている当初予算を拝見し、そのことに対する市長の考えや思いについて私なりの理解を申し上げます。  熊本市の最上位計画は、改めて申すまでもなく、総合計画であります。総合計画は基本構想、基本計画、実施計画の3部で構成されていますが、今議会において基本構想と基本計画が議案として提案されています。  また、当然平成28年度当初予算も議案となっておりますが、この当初予算はまさに年度ごとの実施計画でありますことから、総合計画の内容は当然議案として提案され、議決を経た上で熊本市として実行されていくこととなるはずです。  つまり、市長選で掲げられたマニフェストは、そのままであれば、少々言葉は乱暴ですが、市長個人のマニフェストにすぎません。しかし、この内容を総合計画の中に盛り込むことによって、マニフェストの項目一つ一つが熊本市の具体的な施策や事業となって予算がつき、推進されることになります。  このようなことから、市長はマニフェストの実現に向け、真っ先に新たな総合計画の策定に取り組まれたものと推察した次第であります。  計画期間を市長の任期と合わせられたのも、市長選ごとのマニフェストなどを踏まえ、総合計画の改正を容易にするためのものではないかと自分なりに納得したものであります。加えて、市長選におけるマニフェストは、あくまで立候補者のこれまでの知識や経験を踏まえ、立候補時点の思いや考えでまとめられたものだと拝察いたします。行政内部を熟知していない新人候補の場合は、中には既に実施されていたもの、あるいは実現性に乏しい公約なども考えられ、実情に合わせた見直しが必要となります。  大西市長は、熊本市選出の県議会議員として熊本市政に対して事前の十分な知識を持たれ、また30回に及ぶ市民との政策立案会議を開催され、それを踏まえてマニフェストをまとめられたわけですので、自信を持って掲げられたものだと思います。  それでもきっと大西市長は、市政運営の最高責任者としての立場で新総合計画を策定する中で、みずからのマニフェストについて執行部内で十分に議論、検討されたものと思います。  そこで、大西市長にお尋ねいたします。  まず、市長のマニフェストと自治体の総合計画などの関係について、大西市長はどのように御見解をお持ちでしょうか。お考えをお聞かせください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  総合計画とマニフェストとの関係についてお答えいたします。  御承知のとおり、マニフェストは具体的な目標、期限等を明示することとともに、事後検証が可能となるため、有権者が政策を中心とした判断がしやすくなることから、国政政党だけでなく地方自治体の首長や議会選挙等においても、いわゆるローカルマニフェストを掲げてのマニフェスト型の選挙が展開されるようになってきているところでございます。  私自身、このローカルマニフェストに関しましては、県議会議員時代からいち早くその重要性を認識し、研究し、実践してきたところでございます。一昨年の市長選挙におきましても30回に及ぶ市民との政策立案会議を経て、地域主義の基本理念、地域発の成長戦略、公平公正と相互信頼の基本姿勢を市政運営の基準として掲げ、130項目のマニフェストを掲げさせていただいたところでございます。  これらのマニフェストを具体的に推進するためには、財政状況など市政の現状を詳細に分析、検討し、財源や優先順位等を明らかにした上で、まちづくりの基本指針である総合計画において施策として位置づけることによって初めて庁内はもとより議会や市民の皆様にも幅広く認知され、全市的に推進されると考えております。  このようなことから、私が掲げたマニフェスト項目を含め、改めて市政の課題や熊本市の目指すまちの姿等について幅広く市民と意見交換を行い、今回新たな総合計画をまとめ、今議会に議案として提案させていただいているところでございます。  今後は、マニフェストを反映した総合計画を着実に推進していくことで、目指すまちの姿である上質な生活都市の実現に取り組んでまいりたいと考えております。          〔35番 白河部貞志議員 登壇〕 ◆白河部貞志 議員  ありがとうございました。  市長マニフェストは、施策として総合計画に位置づけることにより、市民に幅広く認知され全市的に推進されると考えていると話されました。  私も全く同感であります。マニフェストの項目全ては総合計画に盛り込めなかったが、庁内で議論、検討を行い、具体的に取り組む方向性についてのみ記載し、検討していくものの整理がなされたと聞いております。  財政状況の問題がありますので、全てのマニフェストの実現に向けて取り組むことは大変難しいことだと思います。市民との約束のマニフェストを優先することも大事でありますが、重要施策の見落としやおくれがないように進めていただきたいというふうに思います。  続きまして、平成28年度の市政運営に関して、地域のバランスある発展という観点から幾つかお尋ねしていきたいと思います。  今、熊本市ではMICE施設の整備や熊本駅周辺の再整備、あるいはラグビーワールドカップや世界女子ハンドボール大会などについては幾度も新聞紙上をにぎわせ、大きな話題となっています。今、中心市街地では、将来に夢や希望を描ける前向きな話題で大いに盛り上がっていると思います。  確かに、これらの施設整備やイベントなどは、政令指定都市セカンドステージを迎える本市にとって、熊本市を国内外に売り出していく大きなチャンスであると思います。  しかし、旧合併町などの周辺部では、小学校の統廃合や出張所再編など、縮小される暗い話題が多く、地域住民から周辺部は見捨てられていくのではないかという不安の声が数多く寄せられています。  また、都市づくりの将来の方向性として、少子高齢化、人口減少社会の急速な進展を見据え、中心市街地や15の地域拠点から成る多核連携のコンパクトシティを掲げ、これらの拠点においては都市機能の維持充実を図り、人口密度も現状を保っていくとされていますが、過疎地域への言及は余りなく、さらに過疎化に拍車がかかるのではないか、このような思いに駆られます。  安倍総理は、地方創生なくして国の成長はないとされ、地方創生に全力を挙げていくとされております。このことは私ども熊本市についても同様のことが言えると思います。  私どもの会派くまもと未来では、市域の均衡ある発展こそが熊本の未来をつくると考え、それぞれの地域に光を当ててこそ、熊本市全体の活力が向上し飛躍できると確信しています。そして、全ての地域が個性豊かに輝いてこそ、熊本市全体の魅力が上がり、市長が掲げる誰もが憧れる上質な生活都市の実現につながっていくと考えます。  しかしながら、このまま進めば市郊外部はますます人口が減少し、活力が喪失され、コミュニティさえ維持できないという地域が幾つも出てくるのではないかと、私どもは大変危惧しております。  このような中、今議会で提案されております第7次総合計画では、まちづくり重点的取り組みの3つの柱の一つとして、安心して暮らせるまちづくりを真っ先に掲げられ、誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、お互いさまで支え合う地域コミュニティを形成するとされています。  市民の日常生活の場である地域、そしてそのコミュニティを大事にしていくことについては、まさに住民をみずからのシンクタンクに位置づけ、地域主義を掲げておられる大西市長の強い思いのあらわれであると高く評価いたします。  そこで、大西市長にお尋ねいたします。  市長は、お互いさまで支え合う地域コミュニティを形成することが熊本市の将来にどのような効果をもたらすと考えておられるのでしょうか。そして、平成28年度において、お互いさまで支え合う地域コミュニティの形成に向け、具体的にどのような取り組みを進めていかれるおつもりなのか、市長のお考えをお聞かせください。          〔大西一史市長 登壇〕 ◎大西一史 市長  今後のさらなる人口減少、少子高齢社会の到来により、地域コミュニティ機能の低下が懸念される中、自助、共助、公助の仕組みづくりを進め、参画と協働による自主自立のまちづくりを行政が支援することで地域力の向上を図ることが重要と考えておりまして、そのことが将来にわたり市民が住み続けたい、誰もが住んでみたくなる上質な生活都市につながるものと認識しております。  このようなことから、私は公約に市政運営の理念として地域主義を掲げるとともに、第7次総合計画案においても、まちづくりの原点は地域であり、そこに暮らす市民であるを基本理念とし、お互いさまで支え合う地域コミュニティの形成を重点的取り組みと位置づけたところでございます。  こうした考えに基づき、住民説明会等の意見を踏まえ、地域コミュニティ活動を行政が支えるための指針となるまちづくり支援機能の強化と出張所等再編方針の素案を作成したところでございます。  具体的には、平成29年度から現在のまちづくり交流室の機能を拡充した(仮称)まちづくりセンターの設置及び地域担当職員の配置、区役所の企画調整機能の強化、本庁関係局と区役所の連携により地域ニーズを施策に反映させる仕組みづくりなどに取り組みたいと考えております。来年度はそのための準備期間と位置づけて、モデル的に一部のまちづくり交流室に地域担当職員を配置し、その役割や業務についてより具体化していきたいと考えております。  また、小学校区単位において、地域の資源、人材等の基礎的なデータやニーズ、課題を整理した地域カルテの作成に着手し、情報共有化を進めることで地域におけるきずなづくりや地域力の向上に資するよう積極的に取り組んでまいりたいと考えております。          〔35番 白河部貞志議員 登壇〕 ◆白河部貞志 議員  公約に市政運営の基本理念として地域主義を掲げておられます。第7次総合計画にもまちづくりの原点は地域であると言われました。地域には高齢者も多く住んでおり、それがもっと加速していく2025年問題も迫っております。政令市になった熊本市が地域や高齢者を取り残すことなく、誰もが憧れる上質な生活都市となることを願っております。  続きまして、熊本市のバランスある発展の観点から、具体的な問題についてお尋ねいたします。  今、地域コミュニティの再生に向けた大西市長のお考えを伺い、大変心強く感じました。  しかし、先ほども申し上げましたように、立地適正化、出張所等の再編、さらには学校統廃合など、現在進められている実際の施策や事業は効率性が優先され、郊外部はなおざりにされているのではないか、このように感じるのは決して私だけではないと思います。  確かに、本格的な人口減少社会が到来する中で、都市をこれ以上肥大化させずに集約していくことや、少子化が進む中で、子供たちによりよい教育環境を整備する上で学校規模の適正化を図ることなど、取り組みの必要性は十分認識しています。しかしながら、そのような中でも、今の地域のきずなが失われないように、しっかりと手当てをしていくことも大変重要であると思います。  今、地域では、イベントや行事に参加する人が少なくなっています。自治会役員の担い手が不足し後継者も育っておらず、今後も自治会活動が継続できるのか、不安に思っている自治会長さんも少なくありません。  このような状況を踏まえ、大西市長は、現在のまちづくり交流室や公民館を再編し、まちづくりセンターを設置するとともに校区担当職員を配置し、地域の自主自立のまちづくりを積極的に支援していくと表明されました。このことに対して地域からも大きな期待が寄せられています。  その一方で、校区担当職員の配置などは限られた人員体制の中で対応するため、出張所などのサービス機能を縮小、廃止することで、それにより生み出された人財を充てることになっています。この出張所などの再編の目的や概要について、熊本市では次のように説明されています。  現在、出張所などで実施している市民サービスの多くは住民票や所得証明書などの発行業務であり、5つの区役所が設置されたことから、出張所などでは受付件数が総じて減少してきている。加えて、マイナンバー制度が導入され、本年3月から本市においてはコンビニエンスストアでの証明書交付サービスが開始されることなどから、出張所機能を廃止し、それをまちづくり支援機能の強化に充てる。このような説明であります。  私としても、地域のまちづくり活動の支援充実は喫緊の課題であり、本市の考え方を否定するものではありません。  しかしながら、例えば、今回の出張所再編の対象となっております飽田総合出張所は旧飽田町の町役場であったように、出張所などはこれまでコミュニティの核となる施設でありました。地域住民にとって、この総合出張所の機能が失われることは飽田町という歴史そのものが失われる感じがし、皆さんは言いようのない寂しい思いに駆られております。このことは再編が検討されているほかの出張所などでも全く同じだと思います。  加えて、特に高齢者の皆さんの中にはコンビニでの機械操作や情報漏えいなどに不安を持たれる人も多く、またマイナンバーカードそのものもどれだけの割合で申請されるのか全く不透明です。やはり人によるサービス提供は何らかの形で残す必要があると考えます。  このようなことから、出張所などの再編を進めるに当たっては、スケジュールありきではなく、地域の核が失われるかもしれないという地域住民の思いや、人によるサービスがなくなることに対する高齢者の不安などをしっかりと受けとめていただき、丁寧に進めていただきたいと思います。  そこでお尋ねいたします。  熊本市ではこの問題について、昨年10月に町内自治会長を対象に、またことし1月には地域住民を対象に説明会を開催されたとのことですが、これらの説明会においてどのような意見が出されたのでしょうか。  また、これらの意見を踏まえ、出張所再編について今後どのように進めていかれるのか。特に高齢者などに対する対策をどのように考えておられるのか。  以上、市民局長の答弁を求めます。          〔永目工嗣市民局長 登壇〕 ◎永目工嗣 市民局長  まず、昨年10月から開催してまいりましたまちづくり支援機能強化と出張所等再編に関する説明会での主な意見についてのお尋ねでございますが、地域担当職員の配置など、まちづくり支援機能の強化について大いに期待するとの声を数多くいただいたところでございます。  一方で、出張所等の窓口サービスの廃止につきましては、一定の理解は得られたものと認識しておりますが、再編対象となる一部の総合出張所の窓口につきまして、引き続き地域の拠点性の確保を求める声がありましたほか、福祉関係の相談業務や移動手段が限られる高齢者への対応についての御不安の点などの御意見をいただいたところでございます。  次に、出張所等の再編に向けた今後の取り組みについてでございますけれども、再編対象の出張所等の窓口サービスにつきましては、住民説明会等での御意見も踏まえ、平成29年度から証明書発行を行うサービスコーナーとした後、マイナンバー制度の普及状況やサービスコーナーの利用状況を検証した上で、1年から2年をめどに段階的に廃止していく案といたしました。  また、総合出張所において行っております福祉等のサービスにつきましては、(仮称)まちづくりセンターにおきまして、取り次ぎ業務やテレビ電話などICTを活用した区役所との直接相談窓口の設置、高齢者支援センターささえりあとの連携などにより、移動手段が限られる高齢者等への対応を検討してまいります。          〔35番 白河部貞志議員 登壇〕 ◆白河部貞志 議員  出張所再編は、当初の説明では平成29年4月にはスタートさせたいという話でありました。証明書発行については、まずまちづくりセンター内にサービスコーナーを設け、検証した上で進めていくということでもありました。そして1年から2年をめどにマイナンバー制度の普及状況や出張所の利用状況を検証した上で窓口を廃止すると考えたようですが、高齢者にとってはテレビ電話などICTの活用は大変難しいのではないかと危惧いたしております。1年から2年をめどにするなど期限を定めず、現状を十二分に把握し検証していただきたいと思います。  続きまして、市域のバランスある発展という観点から、消防署所の整備等についてのお尋ねをいたします。  近年、国内では、平成23年3月、1万8,000名以上の死者を出した東日本大震災を初め、昨年の鬼怒川堤防の決壊で甚大な被害を出した関東・東北豪雨災害など、全国各地で毎年のように大規模な災害が発生しております。  本市におきましても平成24年の九州北部豪雨災害や昨年の台風15号による暴風雨災害など、いまだに記憶に新しいところであります。  また、火災に目を向けましても、昨年5月に発生した川崎市の簡易宿泊所の火災では、死者10名、負傷者18名、計28名もの死傷者を出し、きょうも火災が飽田町の方であっておりましたが、10月には広島県において6名の死傷者を出す飲食店火災など、とうとい命が犠牲になっているところでございます。  これらの自然災害や火災などにおいて何よりも重要で優先すべきことは人命の安全確保であることは言うまでもありません。そして、この多種多様で大規模化する災害に真っ先に対応するのが消防機関であります。  このようなことから、市民の安全安心な生活を守る消防体制の充実強化は非常に重要であります。  現在、本市の消防体制を見ますと、平成24年の政令指定都市移行を契機に、それまでの3消防署体制から平成26年4月の南区富合町、城南町の消防事務の移管に伴う南消防署の新設、益城町、西原村の消防事務受託による益城西原消防署の開設により5消防署体制へと拡大したところであり、本年4月には北消防署が開設され、1区1消防署体制が整うこととなります。  このような政令指定都市移行に伴う体制の強化や事務委託などによる広域化で、消防局管轄区域は面積で約267平方キロから約533平方キロと約2倍、管轄人口で見ると約66万人から77万人に拡大しております。  私は、このように消防体制が市域のバランスを踏まえて強化されることについてはまことに心強く、また政令指定都市の重要な役割の一つとして広域化に積極的に取り組まれていることに対し、当局の努力に敬意を表する次第であります。  しかしながら、一方で、組織が大きく拡大すると、これまで培ってきた地域とのつながりやきめ細やかな消防サービスが維持されるのかといったことが懸念されます。  そこで、消防局長に3点お尋ねいたします。  1点目、北消防署の開設により消防局の1区1消防署体制が整うこととなりますが、大規模な自然災害や特殊な災害などが発生した場合、具体的にこの1区1消防署体制がどのような効果を発揮すると考えられているのか。特に、市郊外部に対してどのような効果が見込まれるのか。  2点目、大規模災害を初めさまざまな災害から生命や財産を守るために、熊本市の消防体制の充実強化はもちろんですが、まずは初期対応が重要であり、そのためにはいかに組織が拡大し強化されようとも、地域との連携が必要不可欠であると思います。特に、高齢化が進んでいる地域は総じて過疎化も進んでおり、地域コミュニティが弱体化しつつあります。このような中で、地域の防災力を高めるために消防局としてどのように取り組んでいかれるのか。  最後に、今後政令指定都市としての本市消防が目指すべき方向や取り組むべき課題はどのようなものか。  以上3点について、西山消防局長の答弁をお願いいたします。
             〔西山博之消防局長 登壇〕 ◎西山博之 消防局長  安全安心な地域づくりに関します3点の御質問にお答えいたします。  まず、消防体制の整備効果についてでございますが、議員御案内のとおり、本市の各行政区に消防署を設置いたします1区1消防署体制が本年4月に整うところでございます。これによりまして、災害現場の最前線で統括指揮をする指揮隊や特殊な災害や人命救助に対応する特別救助隊、さらにははしご車などの特殊車両が各行政区に配置され、災害対応力がこれまで以上に強化されることになります。  さらに、各行政区で地理的な特性もあることから、防災を担当します消防署、区役所、消防団、さらには地域の自主防災クラブなどの関係団体が各行政区単位で情報共有を図ることで地域との連携がより一層強化され、大規模な自然災害や特殊災害に対して迅速で効果的な対応が可能となると考えております。  また、議員お尋ねの市郊外部での効果につきましても同様の効果があることに加えまして、1区1消防署体制が整うことにより各行政区に配置された消防署と地域に配置された出張所との指揮命令系統が行政区ごとに強化されるため、市郊外部についても災害対応力がより高まるものと考えております。  次に、地域の防災力を高める取り組みについてでございますが、議員御指摘のとおり、当局といたしましても、あらゆる災害において初動対応は災害全体の被害規模を大きく左右するため極めて重要であると考えており、特に大規模な災害時には我々常備消防のみでの対応は困難であるため、地域との連携は必要不可欠であると認識しているところでございます。  したがいまして、当局では、市民の災害対応能力を向上する取り組みとして、消防団や自主防災クラブを対象に大規模災害を想定した防災訓練や消火訓練、さらには救急法などの訓練を実施しているところでございます。  また、消防団につきましては、全国的な傾向といたしまして団員数の減少が課題となっており、本市といたしましても消防団員を確保するための方策として、消防団員の雇用や就業中の消防団活動に協力的な事業所を評価し公表する熊本市消防団協力事業所表示制度を創設し、消防団に入団しやすい環境を整備するとともに、大学生などを対象とした機能別消防団、いわゆる防災サポーター制度を推進し、消防団員の確保に努めているところでございます。  今後も市民の災害対応能力の向上や消防団への加入促進に向けた取り組みを推進し、地域住民や消防団と連携しながら地域の防災力を高める取り組みに努めてまいります。  最後に、目指すべき今後の方向性についてでございますが、本年4月、1区1消防署体制が整うことによりまして、本市はこれまでにない充実した消防体制になるところでございます。これを契機といたしまして各行政区単位で地域との連携をより深めることにより、地域の特性に応じた地域密着型の消防体制をより充実させていくことが本市の消防としての優先して取り組むべき課題であると考えており、積極的に取り組んでまいります。  また、全国各地で毎年のように大規模な自然災害が発生していることから、被災地のみでの対応が困難な場合を想定して、熊本市域はもとより、熊本県内及び全国の消防機関相互による援助体制も重要であると認識しており、緊急消防援助隊の充実を図り、政令指定都市の消防としての責務を果たしてまいります。  今後も各行政区単位で関係団体と情報共有を図るなど、地域との連携を強化し、市民の安全安心な地域づくりのため、より一層消防体制の充実に努めてまいります。          〔35番 白河部貞志議員 登壇〕 ◆白河部貞志 議員  1区1消防署体制の効果については、指揮隊や特別救助隊、特殊車両などを行政区に配置することになる。また、行政区では地理的な特性もあり、消防署はもとより、区役所や消防団、さらには地域の自主防災クラブなどと情報を共有化し、消防体制の強化が図られるとのことであります。  大規模災害の対応については、常備消防のみでの対応は困難であり、団員数が減少している消防団の充実強化を図っていくとのことでありました。  政令市熊本の消防が目指す方向については、全国で毎年のように発生している大規模災害に対して、被災地の要望に対応すべく緊急消防援助隊の充実を図り、政令指定都市の消防としての責務を果たしていくという答弁でありました。  大変心強く思いました。今年度をもって退職される西山局長におかれましても、長年にわたりお疲れさまでございました。ありがとうございました。  続きまして、市域のバランスある発展の観点から、多核連携のコンパクトシティと周辺地域活性化との関係についてお尋ねいたします。  御承知のとおり、熊本市においては都市マスタープランにおいて、将来都市像として買い物、銀行、病院など日常生活に必要な機能が整った15の地域拠点と、商業、業務など高度な都市機能が集積する中心市街地とが利便性の高い公共交通で結ばれた、いわゆる多核連携のコンパクトシティを掲げています。  そして、本年度には、これを推進するための具体的な計画として、立地適正化計画や公共交通網形成計画の策定に取り組んでおられます。  このことについては、本格的な人口減少社会が到来する中で、利便性の高い都市機能を維持していくために必要な取り組みであると一定の理解はしております。  このような中、先般の都市整備委員会などで示された立地適正化計画の案を見ますと、15の地域拠点は、中央区3カ所、東区と西区が2カ所、南区と北区が4カ所となっており、一見バランスよく配置されているように見えます。  しかしながら、市域全体を大局的に眺めてみた場合、近年合併した富合、城南、植木はそれぞれの区役所や総合出張所周辺が地域拠点となっておりますが、平成3年に合併した旧飽託4町においては、唯一北部総合出張所付近が地域拠点になっているだけで、そのほかは全て旧市域内に立地しています。  特に西南部方面は、先ほど申し上げた旧富合町役場であった南区役所と旧城南町役場であった城南総合出張所のほか、今春開業するJR熊本西駅周辺や西区役所を中心とした城山地区、川尻地区であり、飽田や天明などについては全く位置づけされておらず、過疎地域はそのまま衰退すべきと言わんばかりで、住民は大変心細い思いをしています。  このため、都市整備委員会の席上このことについて質問しましたところ、執行部では私からの提案に応えていただき、計画の中で地域拠点に準じ市民の日常生活や地域コミュニティ活動を醸成する場として、新たに生活拠点を加えていただきました。  そこで、都市建設局長にお尋ねいたします。  今後、立地適正化計画に基づいて、地域拠点への都市機能の立地誘導や、居住誘導区域への住居誘導などに取り組んでいくとされていますが、この生活拠点についてはどのように取り組んでいかれるのでしょうか。お考えをお聞かせください。  続きまして、道路整備に関しお尋ねいたします。  将来にわたってこれらの生活拠点がその機能を失うことなく、地域コミュニティの実践の場として使命を果たしていくためにはアクセス道路の整備は不可欠です。また、都市計画道路などの幹線道路が一本開通するだけで周辺地域は劇的に変化いたします。  例えば、古くは東バイパスの開通で、西原、長嶺、戸島など、それまで田畑が広がっていた地域が急速に宅地化が進み、いまだ人口はふえ続けています。また、西の方も、ゆめタウンはません、流通団地、さらに国道3号線を越え熊本港に続く間も、ことし3月に予定されているJR熊本西駅周辺の宅地開発等、年々さま変わりし、人口も増加しています。  このように、地域の活性化やまちづくりには道路というものは大きな影響力を持ちますが、現在の西南部地区には今後建設予定の都市計画道路は一本もありません。  また、大西市長のマニフェストにおいても、道路交通を見直し、全国有数の渋滞都市という汚名を返上と掲げられ、中心部の渋滞対策等に力点を置かれています。さらに、今回まとまった熊本都市圏交通マスタープランにおいても、国道57号東バイパスの主要交差点の立体化を初めとした中心部の渋滞対策や有明海沿岸道路など、これまでの2環状11放射の建設促進は盛り込まれていますが、新たな道路整備の提案は余り見当たりません。  もちろん、今後の人口減少や厳しい財政状況を踏まえてのことと思いますが、地域の活性化と道路整備は切っても切れない関係にありますので、ぜひ地域の活性化につながる計画道路も検討していただきたいと考えます。  そこで、今後の道路整備に関し、その基本的な考え方、さらには今後の整備方針や計画などについてお聞かせください。  加えて、地域課題となりますが、飽田・天明地区を通るメーン道路である県道並建熊本線については幅員が狭くバスの離合に支障を来しており、歩道もありません。マラソンコースでもあります。熊本市では、先ほどの熊本都市圏交通マスタープラン等を踏まえ、現在の道路整備プログラムを見直していくとされています。  そこで、この県道並建熊本線についても拡幅や改良など、改訂されるプログラムに盛り込んでいただき、整備を進めてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。  以上、立地適正化計画に掲げる生活拠点への取り組みと今後の道路整備に関し、都市建設局長の御答弁を求めます。          〔永山國博都市建設局長 登壇〕 ◎永山國博 都市建設局長  コンパクトシティと生活拠点に関する3点のお尋ねについてお答えいたします。  まず、生活拠点に関する今後の取り組みにつきまして、本市では、今後本格的に到来する人口減少、超高齢社会に備え、地域生活圏の最後のとりでとなる地域拠点等を維持するとともに公共交通の充実を図り、さらには市民にとって一番身近な生活拠点を守ることで多核連携都市を実現し、市民全体の暮らしやすさを確保したいと考えております。  これらを具現化するために立地適正化計画の策定に向けて取り組んでいるところであり、これまで市政アンケートや16会場での市民懇話会、さらには18会場での住民説明会やパブリックコメントを実施したところでございます。  このように幅広く市民の意見を伺ってきました中で、郊外部の生活拠点も維持してほしいとの御意見もいただいたところでございます。  この生活拠点は、市民にとって一番身近な拠点として位置づけておりまして、これを維持するために地域コミュニティの活性化や農業政策の強化、交流人口の増加、さらには買い物支援体制の構築やコミュニティ交通の充実など、地域の実情に応じて多様な側面から取り組んでいく必要があると考えております。  このようなことから、昨年7月、多核連携都市推進協議会の中に地域コミュニティ検討部会等を設けまして、郊外部の既存集落の維持、活性化に向けた議論を始めているところでございます。  具体的には、地域におけるまちづくりの支援機能強化に向けまして(仮称)まちづくりセンターを設置し、そこに地域担当職員を配置することで地域のさまざまな課題、ニーズ等を把握し、関係部局連携のもと、地域の実情に応じた取り組みを総合的に進め、地域コミュニティの維持、活性化を図ってまいりたいと考えております。  次に、2点目の道路整備に関する基本的な考え方、今後の整備方針、計画につきましては、交通を円滑化する道路網の構築と安心安全な道路の実現を基本方針といたしまして、次の3点の取り組みを行っているところでございます。  まず、1点目は基幹公共交通軸の強化につながる道路、また交通渋滞緩和につながる道路を重視し、熊本都市圏の骨格となる2環状11放射等の幹線道路網の整備を図ることとしております。2点目としましては、通学路の安全確保を初め、安全で快適な生活道路、歩道空間の整備拡充を図ることとしております。3点目は、老朽化する橋梁や道路等、施設の長寿命化を図り、計画的で効率的な維持管理に努めることとしております。  加えまして、限られた道路予算の中で早期の事業効果の発現を図るため、より一層の事業の選択と集中を行い、事業効果の高い路線を優先して整備する必要がありますことから、平成24年度に10年間の本市の道路計画を示した熊本市道路整備プログラムを策定し、事業を進めているところでございます。  平成28年度には、このプログラムの中間年に当たりますことから、この見直しを行う予定としており、今回の見直しに際しては、熊本市都市マスタープランや平成27年度末に策定予定の熊本都市圏都市交通マスタープランにおける都市圏交通網の将来的なビジョンも加味することとしております。  今後も本市の都市の将来像を見据えながら、安全で快適な都市空間の形成を図るため、効率的、効果的な道路整備を着実に進めてまいりたいと考えております。  最後に、一般県道並建熊本線を改訂される道路整備プログラムに盛り込んでいただきたいとの御要望でございますが、プログラムの見直しに際しましては、まず都市計画道路や幹線道路を中心に、事業の継続性、交通渋滞、事故の発生状況、また御要望なども考慮しながら候補路線を抽出することとしております。その後、まちづくりの誘導、円滑な交通処理の確保及び安全で快適な道路サービスの提供などの観点から路線ごとに点数化による順位づけをした重要度の評価を行い、最終的には地域性、特殊性、財政計画との整合、費用対効果を総合的に判断して整備路線を選定し、事業効果の高い路線から優先的に整備を進めることとしております。  お尋ねの一般県道並建熊本線につきましては、幹線道路に位置づけてありますこと、また主要なバス路線でありますことから、調査対象路線の一つといたしまして、先ほど述べた評価基準、選定手続に基づき評価を行ってまいりたいと考えております。          〔35番 白河部貞志議員 登壇〕 ◆白河部貞志 議員  生活拠点についての取り組みは地域拠点に準ずるということなので、立地誘導や住居誘導などに取り組んでいただきたいと思います。  まちづくりセンターを設置し、地域担当職員を配置し、地域カルテの作成など、維持、活性化を図る取り組みを検討いただいているとのことでありますが、既に地域のニーズはさまざまな要望として出ており、今や待ったなしの状態であります。速やかな、そして具体的な取り組みを切にお願いいたします。  次に、道路整備については以前にも一般質問で取り上げ、前向きなお答えはいただきながらも、なかなか前には進んでいない状況です。市中心部から15分から20分圏内のバス路線で離合が難しい道路が果たしてほかにもあるのでしょうか。総合的に判断され、事業効果の高い路線から優先的に整備を進めるとの御答弁ですが、ぜひともその判断は地域住民が納得のいくような御説明をください。  政令指定都市でありながら、市中心部から20分圏内において過疎化が進むのも、道路整備が全く進んでいないからであります。幹線道路であり、主要バス路線の整備も50年前から進んでおりません。市長は地域主義を掲げておられますので、ぜひとも現状を把握の上、過疎化に歯どめがかかり、住みやすい地域社会が構築できますことを信じております。よろしくお願いいたします。  永山局長におかれましては、今年度をもって退職ということでありますが、道路問題が残っておりますので、今後はプライベートなゴルフの場でしっかり議論してまいりたいと思います。御答弁ありがとうございました。  さて、本日は、第7次総合計画や新年度の当初予算について、最後の代表質問者であるということを踏まえ、あえて違った観点から質問させていただきました。  先ほども申し上げましたが、私どもくまもと未来では、それぞれの地域が輝いてこそ熊本市の発展があると考えています。  確かに、少子高齢化、人口減少社会が急速に進み財政状況も厳しくなる中で、施設整備やサービスなど全て平等に提供することは時代に合わず、極めて困難なことは十分理解しています。しかし、それぞれの地域の特性に応じた効果的なサービス展開は必要です。  大西市長は、地域に積極的に飛び込んで、地域の人たちと意見を交わし、生活に根差した課題を拾い上げ、住民と一緒になって解決に取り組む、この地域主義をみずから先頭に立って実践し、そして職員一人一人にも心がけるよう求めておられます。大変重要な取り組みだと思います。ぜひ職員一丸となって地域コミュニティの維持、再生に取り組んでいただきたいと思います。  また、私どもくまもと未来といたしましても、地域主義を実践される大西市長の手腕に期待し、大西市政をしっかりと支えていくために、執行部としっかり議論、協議させていただきたいと考えております。  前回の私の一般質問では、市民との約束とのテーマで質問いたしました。今回は、政令指定都市熊本の中にあって取り残される地域をつくってはならないという、地域がテーマでありました。代表質問から少し逸脱したところもありましたが、お許しいただきたいと思います。  以上をもちまして、くまもと未来を代表しての私の質問を終了いたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手)       ───────────────────────────────── ○藤岡照代 副議長  本日の日程は、これをもって終了いたしました。  次会は、明3日(木曜日)定刻に開きます。       ───────────────────────────────── ○藤岡照代 副議長  では、本日はこれをもって散会いたします。                             午後 3時54分 散会 〇本日の会議に付した事件 一、議事日程のとおり 平成28年3月2日 出席議員 46名       1番   満 永 寿 博        2番   藤 岡 照 代       4番   大 塚 信 弥        6番   緒 方 夕 佳       7番   小 池 洋 恵        8番   三 森 至 加       9番   高 本 一 臣       10番   小佐井 賀瑞宜      11番   寺 本 義 勝       12番   西 岡 誠 也      13番   福 永 洋 一       14番   田 上 辰 也      15番   浜 田 大 介       16番   井 本 正 広      17番   藤 永   弘       18番   原     亨      19番   原 口 亮 志       20番   紫 垣 正 仁      21番   くつき 信 哉       22番   田 中 敦 朗      23番   那 須   円       24番   重 村 和 征      25番   村 上   博       26番   上 田 芳 裕      27番   園 川 良 二       28番   倉 重   徹      29番   澤 田 昌 作       30番   三 島 良 之      31番   齊 藤   聰       32番   大 石 浩 文
         33番   田 尻 善 裕       34番   上 野 美恵子      35番   白河部 貞 志       36番   鈴 木   弘      37番   津 田 征士郎       38番   坂 田 誠 二      39番   竹 原 孝 昭       40番   江 藤 正 行      41番   藤 山 英 美       43番   田 尻 清 輝      44番   落 水 清 弘       45番   古 川 泰 三      46番   北 口 和 皇       47番   田 尻 将 博      48番   家 入 安 弘       49番   田 辺 正 信 欠席議員  2名       3番   光 永 邦 保        5番   山 部 洋 史 説明のため出席した者   市長       大 西 一 史    副市長      高 田   晋   副市長      植 松 浩 二    理事       田 雜 隆 昌   総務局長     多 野 春 光    財政局長     木 下 修 一   市民局長     永 目 工 嗣    健康福祉子ども局長宮 本 邦 彦   環境局長     中 村 英 文    農水商工局長   石 櫃 紳一郎   観光文化交流局長 西 島 徹 郎    都市建設局長   永 山 國 博   消防局長     西 山 博 之    交通事業管理者  西 本 賢 正   上下水道事業管理者寺 田 勝 博    教育長      岡   昭 二   中央区長     萱 野   晃    東区長      中 原 裕 治   西区長      永 田 剛 毅    南区長      田 畑 公 人   北区長      田 上 美智子    選挙管理委員会事務局長                                内 田 敏 郎 職務のため出席した事務局職員   事務局長     大 杉 研 至    事務局次長    木 村 建 仁   議事課長     富 永 健 之...